2022 Fiscal Year Research-status Report
Phonological implications across Turkic languages
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21K12980
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菅沼 健太郎 金沢大学, 歴史言語文化学系, 助教 (00775835)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | チュルク諸語 / 規則 / 含意関係 / キルギス語 / カザフ語 / カラチャイ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではチュルク諸語に働く種々の音韻規則に着目する。そして、音韻規則間にみられる含意関係を明らかにすることを通して、チュルク諸語内における通言語的特徴を明らかにすることが本研究の目的である。この目的を踏まえ、本年度は前年度に得たキルギス語の音交替のデータを対象とした研究を行った。研究においては最適性理論という音韻理論を枠組みとした。最適性理論は言語間の音韻論的特徴の違いを制約(規則の一種)のランキングに還元する理論であり、本研究課題の狙い(規則間の含意関係や言語間の異同を明らかにする)に適している。本年度はキルギス語の音交替を説明する制約のランキングを明らかにし、これに関する論文を一本執筆した(もう一本執筆した論文もあるが、こちらは現時点では採録確定のみ)。また、異分野交流を目的としたセミナーにて本研究課題に関する発表を一件行い、アウトリーチ活動を行った。これに加え、副次的にチュルク諸語のひとつであるカラチャイ語の文法的特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン調査や新聞データの整理などを通して十分な調査を行うことができているため。また、研究実績の概要に述べたとおり論文執筆や発表などを行うことができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度までの目標として、本年度執筆した論文をベースとして、そこにサハ語やトルコ語のデータを足し再分析を行った論文を執筆する予定である。来年度はそのためにサハ語やトルコ語、および他のチュルク諸語のデータを収集し最適性理論に基づいた分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
学生に依頼している資料整理作業に対する謝金として使用する予定であったが、当該学生の都合上、作業がなくなったため、次年度に持ち越しとなった。(作業自体は数時間分の予定であり、かつ急を要するものではなかったため、翌年度に行っても研究遂行上問題はない。翌年度に同じ作業を学生に依頼し、その謝金として使用する予定である。)
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