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2023 Fiscal Year Research-status Report

日本語の動詞句内に起こる副詞的表現に対する描写語としての記述及び心理言語学的実証

Research Project

Project/Area Number 21K13016
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

難波 えみ  山口大学, 国際総合科学部, 講師 (30842819)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsデ句 / 動作主 / 対象 / 描写課題 / 出来事の描写
Outline of Annual Research Achievements

本年度の成果は2つある。
一つ目は、日本語の描写表現である「名詞+デ」句について、その描写先および描写内容の調査である。「名詞+デ」句は主語を描写するものと目的語を描写するものに分けられる。1年分の新聞コーパスを用い、描写の機能が認められるデ句816例について、意味役割別に描写の頻度を数えた。その結果、デ句の描写対象は、ガ格動作主が約70%、ガ格対象(受身文・無意志動詞文の主語)が約12%、ヲ格対象が約17%であった。これより、デ句の頻度は主語・目的語といった文法成分別ではなく、意味役割ないし外項・内項といった統語的構造による差が顕著であることが分かった。また、デ句で述べられる内容にも動作主・対象間で異なる点が見られた。描写内容の差は、動詞のアスペクトと動詞句の構造に起因するものと考えられる。
二つ目は、描写課題調査の実施である。一般的で平易な動詞を『日本語能力試験出題基準』より抽出し、それを表す写真について、提示した動詞を使って出来事の細部を描写してもらう調査を計画・実施した。出来事の細部を描写する際に、どのような内容をどのような表現により言語化するのかを明らかにすることを目的としている。この調査は2023年度後半から実施したものの、分析に必要な協力を年度内に得ることができず、2024年度も引き続き、調査を継続する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2022年度の課題の実施が遅れていたことおよび、調査者の所属が変わった(他大学に転出)ことによる研究時間の確保が困難だったことが大きな理由と言える。また、2023年度に着手した描写課題調査実施にあたり、学内研究倫理委員会への申請及び承認に時間を要したこと、それにより授業期間内の実施が短期間となり、協力者数を十分集められなかったことも研究が遅れてしまった理由である。

Strategy for Future Research Activity

まずは、2024年度のはじめのうちに昨年度から実施している描写課題調査を完了させる。協力者確保が困難な場合には、他大学教員と交渉し、他大学の学生にも調査に協力してもらうことも検討する。
また、話者による描写対象の認知が出来事にどのように統合されるのかを調査したいと考えている。方法や手段については今後詳細を決定していき、年度末までには実施したいと考えている。

Causes of Carryover

オンラインでの学会参加だったため、旅費がかからなかった。また、研究自体の進捗が遅れているため、人手が必要な支出がなかった。、加えて、当初研究補助を雇用する予定だったが、調査者自身で作業をしたこともあり、経費が残った。
2024年度は、昨年度から行っている調査が完了する予定であり、収集したデータの整理で人手を確保する予定である。また、研究成果を投稿したいと考えており、そのための書籍等の購入や英文要旨の翻訳にも経費の利用を考えている。また、学会参加も行っていきたい。

  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 「名詞+で」句による文中成分に対する描写表現2023

    • Author(s)
      難波えみ
    • Organizer
      日本語学会2023年度秋季大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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