2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13028
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
坂本 暁彦 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (50757193)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 社会的苦境場面 / 誠実性評価 / 加害責任の重さ / 不誠実さの度合 / 言語間差異 / 副詞「いったい」 / 話者による判断のプロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日英語疑問文とその関連現象に対して質と量の両面からアプローチすることで、個々の形式・意味機能・音声にまつわる諸特徴を記述・説明すること、また、それらの言語情報が視線や表情などの非言語情報とどう作用し合うのかについて明らかにすることを目的とする。本研究は、言語学内に留まらず、異分野融合を積極的に推進するものである。 現在、分析の対象している現象として、①「何なら」の典型用法・新用法、②ナント型感嘆文、③日英語条件付き謝罪、④日英語修辞疑問文がある。これらのうち、2023年度は③に関する論文を2本(共に査読無)、④に関する論文を1本(査読有)掲載した。前者の論文2本は、両方とも日本語条件付き謝罪を扱ったものであるが、対応する英語表現に関する口頭発表とそのプロシーディングスの掲載を2024年5月に予定している。また、後者の論文では、日本語の副詞「いったい」を伴う(修辞)疑問文について論じたが、対応する英語表現と考えられているthe hellについても調査予定である。 一方、①については、新用法に関する論文を2023年度中に国内学会誌に投稿する予定であったが、③に関する研究が想定した以上に順調に進んだことから、論文投稿を2024年度以降に行うこととした。②に関しては、これまでに執筆した2本の論文を拡大修正する形で国内学会誌へ投稿していたが、2023年度中に不採択という結果になったため、再投稿の機会をうかがっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で示した通り、程度の差こそあれ、①~④に関する研究が同時並行的に進められ、論文掲載という結果にもつながっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で言及した形で、引き続き、①~④に対する質的・量的分析を行い、査読付論文の掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
量的研究に際しては、外部機関に調査依頼をする形ではなく、学内でのアンケート調査が中心となっていたため、調査や実験のための経費が支出されなかった。また、英語論文投稿時、査読のプロセスごとに英文校閲費が必要となるが、1次査読で不採択となった論文もあり、当初の計画よりも人件費・謝金の使用額が少なくなった。
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