2021 Fiscal Year Research-status Report
日本語教育における新たなライティング教育の探求:ジャンルアプローチの理解と実践
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21K13045
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
川光 真二 関西外国語大学, 外国語学部, 助教 (20878293)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本語教育 / ライティング教育研究 / 教員養成・研修 / 教師の成長 / ジャンルアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語教員養成課程関連科目を履修している大学生がジャンルアプローチをどのように捉え、実践するかを明らかにし、教員養成教育の視座から日本語教育におけるジャンルアプローチの実行可能性を考察することである。 初年度である令和3年度は、主に以下の四つに取り組んだ。 第一に、日本語教員養成・研修に関連する文献および、文化審議会国語分科会による報告書を読み、多様化する日本語教育に求められる日本語教員の資質・能力の理解を深めた。 第二に、多様化する日本語教育に求められる日本語教員の資質・能力に対して、ジャンルアプローチがどのように作用するかを検討した。ジャンルアプローチに関連する文献の読解を重ね、多様化する日本語教育におけるジャンルアプローチの可能性を本研究の理論的根拠として整理した。 第三に、これまでに報告されているジャンルアプローチを取り入れた諸外国語教員養成・研修研究を概観し、研究背景、活動内容、調査結果、今後の課題についてそれぞれ整理した。この作業では質的研究支援ソフトNVivoを使用し、諸外国語教員養成・研修研究における事象をコード化、分類、整理した。今回のNVivoの使用は、今後本研究で行う質的データ分析のための練習として積極的に活用した。 第四に、上の項目を通して得られた知識をワークショップのデザインに取り入れた。このワークショップのデザインは、第29回日本機能言語学会秋期大会において「日本語教員養成のためのワークショップをデザインする」というタイトルで発表した。発表と質疑応答を通して参加者の方々から建設的なコメントをいただき、非常に有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述した内容は研究計画調書に記載したものであり、計画通りに遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、前期・後期に分けてそれぞれ以下のことに取り組む予定である。 前期は、ワークショップ模擬版の試験的実施、デザイン修正、参加者募集を行う予定である。模擬版の試験的実施に関しては、同僚の教員に学生役として参加することをお願いし、説明や練習にかける時間や参加者の理解度を確認しながらワークショップの修正および具体性を高める。また、ワークショップで使用する教材についても今後具体化する予定である。参加者募集に関しては、応募者が極端に少ない可能性も考えられるため、ワークショップ本実践の時期を検討中である。 後期は、ワークショップを実践し、データ収集を行う予定である。データ収集に関しては、エスノグラフィー事例研究の手法を用いて、質的データを主に収集する(ワークショップのビデオ録画、半構造化インタビューおよび参加者が産出した文書など)。半構造化インタビューは参加者の許可を取った上で録音し、必要であれば複数回行う。半構造化インタビューおよびワークショップの動画は、文字に書き起こし、データ化する。 最終年度である令和5年度は、集めたデータの分析、調査のまとめと考察を行う予定である。
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Causes of Carryover |
令和3年度は、国内国外の研究発表大会での情報収集に必要な旅費を計上していたが、新型コロナウイルス感染拡大により、国内国外の学会がオンラインで行われ、旅費が未使用分として残った。令和4年度に対面で学会が行われる場合は、旅費として使用する。
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