2021 Fiscal Year Research-status Report
Thinking for speaking in bimodal L2 English production by advanced Japanese learners of English
Project/Area Number |
21K13058
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
野口 敬未 北里大学, 一般教育部, 講師 (80754910)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 第二言語習得 / 2nd Language Acquisition / SLA / Thinking for speaking / Linguistic Relativity / 言語相対論 |
Outline of Annual Research Achievements |
第二言語習得において「一定の年齢を超えるとネイティブレベルに達することが困難になる傾向」の原因究明を長期目標に据え、本研究では、Slobinの提唱する「Thinking for speaking(発話のための思考)」を活用し、日本人上級英語学習者が移動事象を口頭・記述で表現する際「どの意味要素をどの表現に乗せて表すか」を調べ、学習者が第二言語で表現する文法機能や意味を体系的に捉ることで「同じ学習者でも特に習得が難しい項目」を発見する。更に局所的な習得パターンと、文章全体のパターンの関係を明らかにし、学習者のパターンと所謂モノリンガルの日本語話者、英語話者との相違点を発見し第二言語パターンの本質を知ることで第二言語習得成功のヒントを追求する。 手順としては、1)学習者が「どの意味をどの表現で表すのか」のパターンを調べ、2)そのパターンは第一言語の影響を受けているのか、3)語彙レベルと、文章レベルでのパターンに関係があるか、4)瞬間的表現を求められる口頭パターンと、編集機会のある筆記パターンに違いが表れるかを調査する。 2021年度は、前研究で調査済みの口頭パターンと比べるべく、1)参加者の筆記データコーディングを開始した。データコーディング補佐を1名雇い、二人でコーディングを進め、信頼性を確立するためのノーミングセッションを開催。更には研究基盤となるThinking for speakingの最新研究結果を調査するため、最新の文献調査を行った。第二言語学習者の表現する「意味」や「機能」等、いわゆる「見えないもの」をデータ化していく上で、コーディングや分析に信頼性や妥当性を確立する難しさを再認識したため、言語能力・行動を測る指標についての文献調査を開始、それに応じThinking for speakingを基にした指標の信頼性、妥当性確立を目指した論文を執筆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データー分析補佐や文献収集がスムーズに進んだことによる
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度はデータコーディングを終了し、統計ソフトを利用し、タグ付けされた意味要素に相関関係があるか、グループ間の意味要素の表現頻度に統計的優位な違いがあるか調べ、違う点は何故違うのかを質的データ分析により分析予定。 2023年度では、口頭ナレーションと筆記ナレーションのデータを統計解析ソフトSPSSを使い量的に比較し、モダリティ間の違いを調べる。意味表現頻度に統計的優位な違いがみられる場合はその表現が使われているコロケーションや文脈を質的に分析することにより理由を調査する。最終年度は研究執筆、SLRFやAAALなどの第二言語習得の国際学会発表も目指す。
|
Causes of Carryover |
データ分析ソフトSPSSを購入予定が、本務校内包括ライセンスにより、購入する必要がなくなったため。 もう一つはPC購入を来年度(2022年度)に見送ったため。
|