2022 Fiscal Year Research-status Report
中国語・日本語「学習者・母語対訳」作文コーパスの構築と母語転移に基づく文法研究
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21K13069
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
福田 翔 富山大学, 学術研究部教養教育学系, 准教授 (20723274)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中国語・日本語学習者コーパス研究 / 中国語・日本語の対照研究 / 学習者の母語転移に関する第二言語習得 / 中国語教育 / 日本語教育 / 中国語・日本語の文法研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国語と日本語の第二言語習得における学習者の母語に根差した効果的な文法習得について、学習者が産出した文を分析することで、明らかにすることである。具体的には、(1)中国語・日本語の学習者作文の収集、添削、文法・語彙項目ごとの整理を行い、(2)さらに、そのデータを用いて日中対照言語学及び第二言語習得研究の観点から、「母語の影響」について分析を行っている。 2022年度は、日本国内及び中国国内の教育機関にて、追加で学習者作文、フェイスシートの収集、及びその一部で習熟度テストを実施することができた。また、これらのデータをもとに、特に「連動文」、「存在文・所有文」等の習得について、言語学的な観点からの考察を行った。さらに、新たなデータの収集のための(1a)被験者の選定とその実施方法、(1b)タグ付け作業の手順の確認と作業者の選定、すでに収集・整理したデータを用いた(1c)学習者の産出傾向の分析、(1d)対照言語研究の観点からの文法分析について、毎月1~2回の定例研究会議で、海外研究協力者と打合せ及び意見交換を行った。 研究会の中で、明らかとなった(2a)習熟度テストの評価の正確性、(2b)異なる言語間でのタグの統一性、(2c)産出文の精密な修正判断等の問題点については、いくつかの言語テストの試行的実施、一般言語学における用語・術語の使用の検討、一定数以上のネイティブによる文法性判断の導入等の方針を決定し、次年度以降に引き続き作業を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定期的な研究会議を開きながら、海外研究協力者らと協力して、日中両言語のデータを統一的に整備し、データのさらなる追加収集を行うことができた。また、新たに収集した作文の添削作業や学習者へのフィードバックも予定通り実施することができ、データの分析も進めることができた。ただし、新型コロナの影響があり、予定していた資料収集や学会発表のための出張ができず、一部予算を繰り越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで収集したデータについて、習熟度テストの評価の妥当性、タグの見直し作業と統一的なタグの付与、より厳密な文法修正判断の実施等を踏まえてデータを見直し、さらに言語分析を進めるつもりである。また、次年度も引き続き、データの収集を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で海外での国際学会及び調査等に行くことができなかった。また、データ公開のためのシステム構築について、検討に時間が十分に取れず、次年度引き続き検討の上、費用を計上する予定である。そのため、一部予算を繰り越すこととなった。 次年度は、海外での国際学会への参加、データの追加収集、データ公開のための準備等を予定している。
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Research Products
(6 results)