2022 Fiscal Year Research-status Report
残材と周辺植生に基づく古墳時代集落における木材調達とその利用に関する研究
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21K13140
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| Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
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Principal Investigator |
浦 蓉子 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (80746553)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 平城宮 / 出土木製品 / 木屑 / 残材 / 植生 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2年目における本年度においても、奈良盆地北辺や周辺における植生復元のためのデータ収集及び分析をおこなった。
平城京造営時に谷状地形を埋め立てた土の中に含まれる植物質遺物を採取し、採取した葉の同定をおこなった。葉の種にはフジ属やトチノキ、カシ、ケヤキ等が含まれていた。今後、共伴する材や種子等の分析結果と合わせて検討をおこない、平城京造営時の奈良盆地北辺における植生データとして、前後の時期の環境と比較するためのデータとして蓄積する。
また、平城京により近い朱雀大路西側溝から出土した奈良時代の木屑について分類をおこない、体系的な整理と定量的な分析をおこなった。木製品、木屑・残材、木端（加工無）、自然木（加工有）、自然木（加工無）、樹皮、その他（１㎝以下の小片等）に分類し、それぞれの体積を計測し、それぞれの分類に属する遺物の総量を体積ベースで比較検討をおこなうという方法論を実践した。今後、堆積の計測方法は精度を高めていく必要があるが、他地点で出土した木屑と比較が可能となる手法として、今後活用していきたい。今回の検討では、木製品、木屑・残材、自然木の３種類では、樹種は異なる傾向を示した。これまでの調査においては、木製品、自然木の樹種について蓄積されてきたが、木屑・残材等の加工の痕跡となる資料はまだ、樹種分析の蓄積が進んでいない。木屑等における樹種分析の重要性を示唆する結果を提示することとなった。
さらに、奈良県下における樹種同定データを、2021年度までに刊行された報告書を参照し、データ収集をおこなった。奈良時代における樹種利用と奈良時代より前の樹種利用について異なる傾向を得ることができた。この成果については、2022年9月開催の日本植生史学会の大会において発表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析資料の選定等において想定よりも時間がかかっており、やや遅れているといえる。
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| Strategy for Future Research Activity |
１年目、２年目と雑木、木屑残材等における樹種データ、および葉や種子データの蓄積をおこなってきた。今後、これらの成果を統合して奈良盆地北版における植生データを構築し蓄積したい。
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| Causes of Carryover |
樹種同定等の分析資料の選定に時間がかかり、分析を次年度に変更した。そのため、分析費用の一部を次年度使用へと変更した。
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Research Products
(5 results)
