2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K13146
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
石黒 勝己 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (60766377)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 考古学 / ネットワーク科学 / 古代史 / 土器 |
Outline of Annual Research Achievements |
先ず、研究期間中に新型コロナウイルス感染症流行拡大があったため本考古学研究をコロナウイルス感染症解決のための応用研究ともからめて行うことにした。それによって社会問題解決の一助としてに生かすことを意識的にした。 考古学において古代社会における各集落、都市間コミュニケーションの評価は重要な課題であるが定量的な評価方法は確立されていない。一方で複数の古代集落間で出土した類似土器等のグループ分け研究はしばしば行われている。そのため今回、そのようなデータをもとに集落間の関係を定量化する研究を行いその量のランキング付け等をした。地域はまずは古代中国で試験的検討を行い、古代九州および東海周辺を対象にした。さらに本研究の研究材料である土器出土量を現代の感染症発生件数に置き換えて考えれば現代の感染症研究にもなることは容易に想像されることであり、行われるべきであると考えたためそれをおこなった。 出土土器量の和が大きな集落同士はなんらかの関係があると定義するところから出発し、数学の一分野である数学的グラフ理論や電気回路学を用いて古代社会の交易および現代の感染症ネットワークの図化を行った。さらのその特徴の解析をし最終的に両者の特徴の比較を行った。これによって古代に比べて現在のネットワークでは大都市を起点としたハブ化が進んでいるなどの特徴が判明した。結果は日本文化財科学会などで発表し、感染症ネットワークを崩すための方法の議論などにも発展してこれを大いに生かすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
手法としては共通の出土土器量の和が大きな集落同士はなんらかの関係があると定義する。その仮定のもとで、ある種類の土器の出土量の和が特に高い集落同士を結び付けることができる(閾値モデル)。古代九州や東海周辺地域においてネットワーク図を作成した。 さらに2020 年冬期の新型コロナウイルスおよび他の感染症の発生件数を用いて都市間でどのような感染ネットワークを築いてしまっているのかを評価した。関係の深い順位にあるものの数値を優先的に下げるようにルート上の移動を抑制していくことが政策としてあり得ると考えられる。また、古代のネットワークより現代のもののほうがハブ化されていて、大都市に対して強いルートが形成されている。さらにその他の2都市間に関しても迂回路が多いことがわかった。このためランダムにあるルートを除いてもネットワークがこわれにくい難しい構造になっていることが解った。これは日本文化財科学会などでも議論し役立てた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミューオンラジオグラフィー実験の準備が進んでいるのでそれを用いて西夏王陵での実施を行う。コロナの状況を見て現地の研究者とコミュニケーションをとって実施していきたい。フィルムの取り扱いは日本の古墳においてテストを繰り返しているのでそれを完成させて海外の環境でも実施できるようにする。解析プログラムの高速化、安定化も完成させ感度良く解析が行えるようにする。研究計画として先ず陵台地下に空洞などの未知の構造が存在していないかを調べる。検出器であるフィルムを幅4cm、長さ12cm程度にカット して遮光パックし、陵壁外のボーリング抗内に2か月間程度差し入れておくことでミューオンによる計測を行う。この管理は寧夏文物考古研究 所の協力によって行う。次に、地上部分にフィルムを設置して陵台内を詳しく観測する研究を一年目の冬期に行う。陵台付近の地面に置いたフィルム設置台にフィルムを張り付けてこの観測を行う。この設置台は日本の古墳で実施したものと似た設計で行えるので、これを生かしながら 現地環境に最適化して作成する。
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Causes of Carryover |
中国での研究を予定していたが世界的なコロナ感染症拡大により延期したため2022年度、2023年度に中国での研究を行うように延期した。2022年度は中国銀川での旅費及び研究装置の輸送費、準備費用などにおもに資金を充ててミューオンラジオグラフィーの研究を進める。
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Research Products
(4 results)