2021 Fiscal Year Research-status Report
Reconstruction of Chemical Dynamics and Water Quality Formation Ages of Saline Lake Considering Inflow Loading
Project/Area Number |
21K13150
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 圭 京都大学, 理学研究科附属地球熱学研究施設, 研究員 (20882765)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 塩湖 / 珪藻分類分析 / 塩分濃度 / 古環境復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
塩湖に関する研究を進めることは人間活動と密接に結びつく他地域の淡水湖とその環境変動に関するレスポンスを比較する上で重要である。塩湖に関する研究を進めることは人間活動と密接に結びつく他地域の淡水湖とその環境変動に関するレスポンスを比較する上で重要である。塩湖の塩分濃度の過去の状態を知ることにより,将来的な塩分濃度変化の予測が可能となると考えられる。塩湖の持続可能性について探求することは,環境保全と観光や農業といった人間活動を両立するための解決策に繋げていくことを期待できる。 研究対象であるイシク湖(Lake Issyk-Kul)は,キルギス共和国に属し,標高3,000m 以上にもなる南北の山脈の間にある構造湖で,塩分濃度が0.6%の低濃度塩湖でもある。1986年に行われた現地観測以降,塩分濃度が増加傾向にあり,現在でも増え続けている。塩分濃度の増加原因は流入水による影響だとし,湖が閉塞湖である限り塩分濃度は上昇し続けるといわれている。イシク湖の古環境では,約500年前から200年前にかけて湖が開放湖として淡水化し,その後閉塞湖へと転じて再び塩水化していると考えられるが,開放湖と閉塞湖に関する自然科学的・歴史文献的根拠は存在するものの,水質にまで言及した研究事例は未だない。 そこで,2021年度の研究課題では中央アジア、キルギス共和国に在る塩湖・イシク湖を対象に、既に採取済みである湖底堆積物および現世の湖岸にて採取した堆積物に含まれる珪藻化石の分類分析を実施し,塩湖の水質に関する古環境復元を試みた。湖底堆積物は湖岸周辺の露頭から採取したものである。しかし,結果として湖底堆積物から珪藻を見つけ出すことはできなかった。湖岸周辺では現生の珪藻、珪藻化石を観察することができた。今後は現生の珪藻の同定を行い、過去の珪藻化石カタログの作成をする必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた湖底堆積物から珪藻が観察できなかったことから,本年度は現生の珪藻種の同定を当初目指すこととなった。しかし,新型コロナウィルスの影響により既往資料の収集が困難であったことから,現生珪藻種の同定すら困難な状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
当面は現生珪藻種の同定を目標にカタログ作りを行う予定である。また,新型コロナウィルス感染拡大によって研究推進が困難である現状を打開するため,既に得られているイシク湖および周辺の河川・地下水の水質データを用いて化学平衡と溶液混合解析を行う予定である。これにより,湖の負荷量のみで議論されてきた,湖の水質形成過程を地球化学の視点で明らかできると考えられる。
|
Research Products
(1 results)