2021 Fiscal Year Research-status Report
High-technology diffusion process focusing on utilization: Case of automobile diffusion
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21K13155
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
本多 広樹 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (30844196)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 次世代自動車 / 充電インフラ / 普及 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自動車の普及と活用を事例に,地域における先端技術の普及プロセスを解明することである.2021年度は,電気自動車に着目して技術開発を行った事例である新潟県柏崎市を対象地域とし,地域における電気自動車の活用状況や,普及の実態についての調査,分析を実施した.合わせて,柏崎市の取組みが充電インフラに着目したものであることから,充電インフラ(充電器)の普及状況に関する調査,分析も行った.特に後者に関しては,対象地域である柏崎市のみならず,国内のデータを用いることで全国的な普及状況も分析対象とした. 国内において電気自動車をはじめとした次世代自動車やそのインフラの普及を企図した政策として,まずEV・PHVタウン(経済産業省)が挙げられる.この政策は開始から10年以上が経過していることを踏まえ,現時点での普及の実態,また選定された地域と選定されていない地域との差異について,主に統計データから分析した.その内容は2021年5月に東北地理学会春季学術大会において発表した.また,この成果を踏まえ,都道府県スケールにおける充電インフラの普及実態を分析する手法に関する論文を発表した. 次に,新潟県柏崎市における電気自動車の活用に関しては,市内の企業を中心とした組織である電気自動車研究会の活動に着目した.そして,(1)各種統計,および活動が活発に行われていた当時に発行された資料の分析,(2)研究会の中心となっていた企業へのインタビュー調査(オンライン)の2点を実施した.(1)については,柏崎市が位置する新潟県がEV・PHVタウンに選定されていることを踏まえ,全国や新潟県の状況との比較検討も実施した.また(2)によって研究会の当時の取組みを把握することができた.これらをまとめて2021年9月に日本地理学会秋季学術大会において口頭発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度はCOVID-19の感染拡大により現地調査ができず,オンラインでのインタビュー調査に限定された.これにより,対象地域において実施されていた次世代自動車活用の概要は把握できたものの,活用に関与していた個々のアクターへの調査が不十分な状況にある.その一方で,自動車の活用にあたって必要不可欠となるインフラの普及状況に関しては,普及実態の把握や分析手法の検討を進めることができた.こうした諸点を踏まえて進捗状況については「3:やや遅れている」とした.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目となる2021年度は,柏崎市で行われていた自動車の活用に関する概要を把握することができた.今後は,インタビュー調査の対象を拡大し,現在における自動車の普及や活用との関係性の解明を進めていく予定である.これと並行し,他地域における自動車の新たな活用についても,現地調査を含めた実態把握を進めていくこととする.また,自動車に関するインフラの普及状況に関しても,2021年度の分析から得られた知見を基に,より適切な分析手法の検討や実態解明を行っていく予定である.
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