2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K13349
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
菅田 浩一郎 常磐大学, 総合政策学部, 教授 (00755910)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 中小企業の国際化 / 技術力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、従来下請と呼ばれた企業城下町的産業集積地における中小企業の自立化をテコとした国際化を説明する点が理論的貢献となる。中小企業の「国際化」と「自立化」の分析を通して企業城下町の中小企業はいかなる事柄に努力を傾注してきたのか、中核企業が果たした役割は何か、転入企業はどのようなモデルケースを示すか、これを問うことを目的とする。 2022年度は、2021年度に引き続き中小企業の国際化や自立化に関する国内外の研究動向をとらえ、検討を加えつつ、国内でのインタビュー調査を行うことを計画した。実際には2022年度夏及び春先にかけて、2018年に実地調査した茨城県日立地域の中小企業のうち、特に先端的な技術力を有し、イノベーションと国際化を推進する8社を再訪し、技術開発の進捗、商談の拡大深化の状況につきヒヤリング調査を行った。これら企業には理化学用ガラス製品を製作する企業、長尺極細加工技術を有しドイツに駐在員事務所を展開する企業、1万分の5mmの超精密高精度の金型加工技術を有する企業等、先端的な技術力を誇る企業が含まれる。追加ヒヤリングの結果、これら企業が欧米先進国を中心にさらに顧客開拓と新規商談を拡大していることが判明し、従来下請加工を展開していた中小企業が独自技術の強化を通じて国際化している実態がより明確になった。また、別途、左記の個別企業へのヒヤリング調査以外にも補足的に商工中金や日刊工業新聞が主催する諸会合に出席し日立地域中小企業の経営者の話を広聴することを通じて先端的な技術力を有する中小企業の国際化推進状況を再確認した。 2022年度は研究文献収集に20万円、ヒヤリング用旅費に4万円、英文一流学会誌投稿関連英文校正費等に16万円ほど予定していたが、実際には研究文献収集にほぼ40万円を支出し、ヒヤリング用の旅費は私費で賄った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は2021年度に引き続き、中小企業の国際化や自立化に関する国内外の研究動向をとらえ、検討を加えつつ、国内でのインタビュー調査を行うことを計画していた。実際2022年度は個別企業への再訪インタビュー実施した結果、独自技術を強化している中小企業が国際化も進めていることが判明した。また、補足的には茨城県中小企業の各種会合の場における広聴等を通じてその事実を再確認できた。こうした研究活動の事実から、ほぼ当初計画していた通りの調査研究を進めることができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は国内調査と並行して海外拠点を有する日立地域中小企業の現地拠点を訪問し、現地責任者へのインタビューを行う。この期間はチョンブリ(タイ)のA社及びホーチミン(ベトナム)のB社の現地工場を訪問し、現地における人材育成や顧客開拓を調査する。海外出張費用に32万円程度、引き続き国内外の関連研究文献の収集のため8万円程度を見込む。
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Causes of Carryover |
2022年度は文献収集のコストがメインとなり、偶然書籍代金が半端となり2,092円の残額が出た。当該残額は2023年度の研究活動に組み入れる。
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