2021 Fiscal Year Research-status Report
健康経営を行っている企業が新たなビジネス領域へ事業展開するプロセスに関する研究
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21K13380
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上西 智子 東北大学, 経済学研究科, 博士研究員 (70420023)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 価値共創 / 価値共創型マーケティング / 健康経営 / 健康づくり / 文脈価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、健康経営を実践している企業が、従業員に対して行っている健康づくりの取組で得られた成果をもとに、新たなビジネス領域へ事業展開するプロセスを明らかにすることである。具体的には、企業が従業員や一般消費者の健康づくりの世界にどのように入り込んで健康づくりに資するのか、またどのような健康文脈を形成し、その価値を共創し展開させているのか、そのプロセスを明らかにする。この目的を達成するため (1)企業の従業員に対する健康づくりの接点、(2)健康文脈の形成及びヘルスリテラシー形成・変化とその要因、(3)健康づくりに資するサービスの設計手法といった3つの研究課題を設定している。 初年度となる令和3(2021)年度は、(1)~(3)の研究課題に対して、価値共創、価値共創型マーケティング、サービス・マーケティング、経営戦略、健康経営、従業員の健康づくり、健康教育・ヘルスリテラシー教育に関する文献調査を行なった。また、次年度の令和4(2022)年度からのインタビュー調査の準備として、調査設計、調査対象候補リストの作成に着手した。文献調査では、接点づくり、文脈形成と文脈価値、サービス展開のエコシステムの要素、エコシステムが機能するリーダーシップ、健康経営の取り組みと社会的価値に関する最新の理論的動向と、従業員の健康づくり、健康教育・ヘルスリテラシー教育について最新の理論的政策的な動向や手法・評価に関する文献レビューを行なった。また、令和4(2022)年度からのインタビュー調査の準備として、調査項目の整理検討、調査対象候補のリスト作成、インタビュー調査の方法論に関する最新の理論的実践的動向の文献レビュー、分析方法の最新動向について文献レビューを行うとともに本研究に資する最新の分析支援ソフトの動向についても調査検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3(2021)年度に予定していた(1)~(3)の研究課題に対する学際的な文献研究については、当初の計画通りに進めることができた。しかし、インタビュー調査の事前準備として計画していた企業への予備的調査については、新型コロナウイルス感染症の拡大や感染防止対策の影響により、実施時期や実施方法等の再調整が必要となり延期となった。そのため、当初の予定より、インタビュー調査の準備にやや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4(2022)年度は、上述したインタビュー調査の準備の遅れを取り戻すため、社会経済状況の変化にも留意しつつ、予備的調査の実施時期や実施方法等の調整を行う。また、令和3(2021)年度に実施したインタビュー調査の準備内容についても引き続き検討を行い、調査項目の精緻化、インタビュー調査の方法論や分析方法の最新動向の追加的文献レビュー等を実施し、令和4(2022)年度に計画しているインタビュー調査の実施に向け準備を進める。
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Causes of Carryover |
令和3(2021)年度の後半に購入を予定していた分析支援ソフトについてその特徴を精査したところ、オペレーティングシステム(OS)更新への対応など再検討を要する点があったため、次年度の令和4(2022)年度に延期して購入することとした。同じく購入予定だった外付けハードディスクは、上述の予備的調査の結果と分析データのバックアップ用としての利用を計画していたため、予備的調査の実施時期に合わせて令和4(2022)年度に購入することとした。また、所属研究機関の図書館等でコロナウイルス感染防止対策に伴う利用制限等があったことから、文献資料等の印刷複写利用が減少したため、本研究に必要な参考文献・参考資料等の印刷複写費は発生しなかった。これにより生じた次年度使用額は、令和4(2022)年度に引き続き行われる上述の調査準備の際に使用する予定である。
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