2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of bereaved family support program for elderly patient in geriatric medical center
Project/Area Number |
21K13424
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
菅野 康二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80445543)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺族ケア / グリーフ / 複雑性悲嘆 / エンドオブライフ / 高齢者 / 総合病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
総合病院における遺族支援を充実させることは、グリーフによる身体的・精神的危険性が高まる遺族にとって極めて重要である。本研究では高齢者専門総合病院における高齢患者の遺族における支援プログラムの開発を目的とする。看取りの状況を後方視的にレビューし、高齢者・グリーフ・遺族等に関する基本的な知識を医療者に質問し、実際の遺族調査結果を分析しプログラムを作成する。その上で、研修会を開催し普及活動を実施する。 初年度にあたる2021年度は、高齢者専門総合病院における高齢患者の遺族支援プログラムの開発の最初の柱である「エンドオブライフ、看取りの状況を確認する」ことを実践した。研究開始前1年間で死亡した患者を無作為に抽出し、約30名の看取りの様子を評価、検討する予定であったが、COVID-19の影響を受け時間的制約が大きく診療録の後方視的レビューが十分にできず、患者の抽出にとどまるケースが多い状況であった。抽出でき詳細を確認した患者では、身体的状態、精神的状態の経過、治療やケアの内容、医師からの病状説明の時期そして遺族の様子をまとめ、看取りの状況をシートに記載することとした。精神・心理状態評価支援者として申請者と同じ施設に所属する臨床心理士のアドバイザーを適宜受けながら作業を進めた。診療録記載に決められた書式はないことから、看取りの状況や遺族の様子を確認することに難渋した。特に精神・心理状態評価についてはカテゴリー化して検討することが望ましいと考えられた。しかしながら、年度内の作業進捗は遅れており、2022年度上半期まで上述のような診療録の後方視的レビューを進めることとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に影響を受けた。研究責任者はCOVID-19の専従医かつ責任者の立場であり、本研究に従事する時間的制約が強く、当初の患者抽出作業が遅々として進まない状況があった。2021年度下半期後半から進捗を早めるべく鋭意取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢者専門総合病院における高齢患者の遺族支援プログラムの開発として、無作為に抽出した患者の後方視的レビューは極めて重要である。2021年度はCOVID-19及び研究責任者が同診療に従事する比率が極めて高くなってしまったことから、研究の進捗が大幅に遅れた。そのため、2022年度上半期は引き続き後方視的レビューを行い、2022年度下半期からは、プログラム開発の2つ目の柱である、医療従事者及び遺族への質問紙票を作成する。また、研究最終年度においてはこれまでの進捗の遅れがずれ込むことが予想されるため、研究期間の延長申請も検討事項とする。
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Causes of Carryover |
COVID-19診療による影響を研究責任者自身が受け、時間的制約があった。また研究材料の購入についても進めることができず、初年度の目標である後方視的レビューの一部を既存の研究環境で開始した。2022年度については、後方視的レビュー内容の完了とまとめのため、PC等の記録媒体を購入する。また、医療従事者及び遺族への自記式質問紙票の作成と整理のためタブレットを購入し、個人情報に配慮し保存する。さらに、研究進捗報告を学会で行うための資料作成に要する費用として研究費を使用する予定である。
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