2022 Fiscal Year Research-status Report
Expansion of Preparation Behavior Database in the Human's Torso for Speeding up Motion Generation of Humanoid Robots
Project/Area Number |
21K13487
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
築地原 里樹 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (00835548)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 家事動作計測 / ヒューマノイドロボット / モーションキャプチャ |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒューマノイドロボットの全身動作生成にかかる計算時間短縮に向けて,人間の生活空間における持ち運び動作を解析することで,ロボットの動作計画に必要な人間姿勢のキーポイントを抽出する.人間の到達動作中における手や足などの直接到達に関わる部位のみではなく,肘や胴体・股などの姿勢決定に自由のある部位の家事タスクにおける準備姿勢を解析することにより,ヒューマノイドロボットにおけるタスク時間の短縮や安定性の高く,大きな力を発揮できる動作を獲得する.人体計測とロボット制御に着手し,生活環境におけるロボット動作の獲得を達成するよう努めた.令和4年度は以下の内容について研究した. (1) 家事動作における肘や胴体の準備動作の解析:家庭環境内を想定した棚内の持ち運び動作を解析した.追加購入したモーションキャプチャカメラを用いてシステムを構築し,動作中の全身姿勢を計測した.また,全身動作の安定性の評価のために6軸力センサをシステムに組み込んだ.操作対象物の重量が増えるほど物体を掴む時刻の前に胴体を引いて構える姿勢を準備することが被験者実験により有意差を持って確認できた.また,肩から手先の距離と胴体前傾姿勢にも物体の重量によって差があることを確認でき,ヒューマノイドロボットの準備動作の重要な姿勢を抽出できた. (2) VR (Virtual Reality) 環境における家事動作計測の評価:実環境で計測している棚内の持ち運び操作をVR環境において計測した.人間工学分野で用いられる作業域の指標をVR環境で評価することで,物体操作タスク内において腕以外の部位を積極的に使用し,身体に負担がある動作を判定でき,VR環境においても動作計測が可能であることを確認できた. (3) 3点保持ロボット実験:HRP-4実機において両手先と胸の3点保持の実験を実施し,ロボット各関節における負荷トルクの減少を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家事動作における肘や胴体の準備動作の解析 (1) については,多くの被験者において解析手法を適用でき,有意差を持った結果を得ることができた.国内学会発表において他の研究者と議論し内容を精査でき,査読付き国際投稿論文採択まで達成できた(公開時期は次年度となる).VR環境における家事動作計測の評価 (2) については,数人の被験者において実際の計測と同様の結果を得ることができ,査読付き国際学会発表まで達成できた.3点保持ロボット実験 (3) については,ヒューマノイドロボットを用いた負荷トルクを検証することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
棚内の持ち運び動作の解析を用いて準備姿勢を評価することができたが,姿勢に含まれる筋肉の発揮による準備動作を解析する必要がある.関節1つずつに1点のマーカのみではなく複数の点を用い,多くのモーションキャプチャカメラを用いる必要があり,筋骨格モデルを分析予定である.姿勢解析のタイミングを増やすことや,姿勢の負担を評価することができ,ヒューマノイドロボットで代替するべき動作や効率的な姿勢遷移を抽出することができる.
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Causes of Carryover |
本研究についての投稿した論文の査読に対する採録は今年度に間に合ったが,掲載が次年度になり支払いが必要であるため.また投稿に必要な物品の購入がある可能性がある.
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