2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13588
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田本 正一 山口大学, 教育学部, 准教授 (30808126)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パブリック・ディベート / 議論 / カリキュラム開発 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「小中連携による主権者教育カリキュラムの開発・実践」をテーマとする。令和4年度は主に「パブリック・ディベート」を軸とした小中連携のカリキュラム開発・実践を行った。パブリック・ディベートは一般的なディベートとは異なる理念や形式をもつ。概略すれば、それは市民としての議論の意味合いを有している。具体的には、排他的ではなく創発的な議論を目指す。それは一般的なディベートのように、反論から主張を守るだけではない。むしろ反論を受け、主張を新たに作り直し、よりよい主張を形成することを目的とするのである。 このようなパブリック・ディベートを援用し、複数の具体的な授業を開発し、実践している。授業実践後はそれぞれがその成果と課題を明確にし、共有することができている。その成果として特徴的なことは、協働的な学びとして授業が展開されたことである。個人の主張にとどまらず、他者の意見を受容・批判することで新たな意見を創発することができた。その具体的な事例として小学校第4学年における地域学習の開発・実践、中学校公民的分野単元の開発・実践を挙げることができる。これらの授業実践では地域的な課題について議論し、意見を作成し、市役所等に提案することができた。さらには、それらからアドバイスを受け、パフォーマンスを高めることができた。このような授業実践が主権者教育のあり方の1つとして意義あることであろう。 以上の成果を基に小中連携による主権者教育カリキュラムの試案を作成する。同時に検証が必要となるが、これら研究実績の概要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度はカリキュラム作成までを目標としていた。個々の授業については一定の実践が終了し、その成果については論文等において公表済みである。しかしながら、小中連携による主権者教育カリキュラム作成までには至っていない。実践による成果は明らかなため、今後は打ち合わせ等を密にし、カリキュラム作成を目標に設定したい。そのため、進捗状況は「やや遅れている」としている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は積み重ねた授業実践を基にして小中連携による主権者教育カリキュラム作成に取り掛かる。さらに、それらの検証を同時に行なう。そのことで、小中連携による主権者教育カリキュラムの全体像とその成果と課題について明らかにできると考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において学会がオンライン開催となった。そのため、主に旅費の使用が少なくなった。成果は上がっているため、令和5年度は主に学会発表及びカリキュラム作成についての情報収集のための旅費や文献購入費の予算を執行する予定である。
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Research Products
(4 results)