2021 Fiscal Year Research-status Report
「将来に希望を持てない青年」へのキャリア支援:主観的世界観の諸相と変容プロセス
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21K13719
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
坂本 憲治 福岡大学, 人文学部, 准教授 (00641523)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 臨床心理学 / 青年期 / キャリアカウンセリング / 社会構成主義 / 質的キャリアアセスメント / 希望 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「将来に希望を持てない青年」の主観的世界観の諸相と変容プロセスを明らかにし,建設的変容を促す心理支援/キャリア支援アプローチを開発することである。 本研究計画4年間のうち,初年度である令和3年度は面接調査〔研究1〕を実施し,「将来に希望を持てない青年」の主観的世界観の諸相を明らかにすることを目的とした。 令和3年度は、大学生14名を対象に社会構成主義的キャリア支援ツール「My System of Career Influences: Adolescent」(以下,MSCI)(McMahon,Patton & Watson, 2017)を用いて面接調査を実施した。青年の主観的世界観の諸相について、14名分の質的分析を行い、引き続き6名のデータ収集を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、大学生20名の面接調査を実施し、データ解析まで完了させる予定であった。しかし、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、面接調査が思うように進まず、年度末時点において14名の実施に留まった。また、当初は「将来に希望が持てる青年」10名と「将来に希望を持てない青年」10名を想定していたが、年度末時点では、「将来に希望が持てる青年」9名、「将来に希望を持てない青年」5名とインフォーマントに偏りが生じている。現在も雪だるま式サンプリングによりインフォーマントを募集し、調査継続中である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、「将来に希望を持てない青年」の主観的世界観の諸相(現実世界をどのように知覚・経験しているか、希望有群と希望無群の比較・検討)を明らかにするために、引き続き研究1(面接調査)を進める。現在の進捗状況はやや遅れているため、新型コロナウィルス感染症拡大の状況をふまえつつ、インフォーマント数を調整するなど、現実的に可能な調査方法を検討する。 また、令和4年度は、研究1の結果を踏まえて研究2(質問紙調査)にも着手する。具体的には,「将来に希望を持てない青年」の主観的世界観を定量的に把握する心理尺度を作成し,将来への希望の有無を分かつ要因を同定する。そして主観的世界観の変容可能性を探り,有効な介入指標を得る。
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Causes of Carryover |
令和3年度はCOVID-19の影響により、予定した面接調査の数が少なく、また国内移動を伴う研究活動ができなかった。そのため、謝金及び旅費について差が生じることとなった。令和4年度は、前年度に実施できなかった面接調査を引き続き進める予定である。差額分は、面接調査および研究発表に伴う謝金・旅費として活用する予定である。
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