2022 Fiscal Year Research-status Report
超海洋パンサラッサ海における複合化石生層序と安定同位体比層序
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21K14036
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Research Institution | Administrative Agency for Osaka City Museums |
Principal Investigator |
前川 匠 地方独立行政法人大阪市博物館機構(大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪市立東洋陶磁美術館、大阪, 大阪市立自然史博物館, 学芸員 (20827331)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コノドント / 微化石 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
宮崎県において石灰岩試料の採集を含めた地質調査を実施した。採集した試料から岩石切片の作成と微化石の抽出を行った。これにより、同調査地における下部三畳系の岩相の変化やコノドント化石の種構成の変化について調べることができた。また、地層の側方への変化が大きいことや小断層の存在が明らかになったため、微化石を基に現地調査の結果を補正する必要があると考えている。また、研究協力者と今後の調査計画について打ち合わせを行った。 国立科学博物館に収蔵されているアンモナイト化石とコノドント化石の調査を行った。 海外での調査は今年度も実施することができなかったため、既存試料からの微化石の抽出と電子顕微鏡を使った観察を進めた。いくつかの試料については、産出化石の図版の作成と記載論文の作成を進めており、次年度以降に追加調査を行って原稿としてまとめ、学術誌へ投稿したいと考えている。 本研究の調査地ではないが、タイ国における共同研究の結果が、前期三畳紀のアンモナイトとコノドント化石の記載論文として国立科学博物館モノグラフ54巻にまとめられた。報告された化石は、パンサラッサ海側との生層序対比が可能な種が多く含まれるため、今後、本研究において両地域の地質年代の対比や古生物地理を議論する際に重要な資料になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
予定していた国内外での調査をほとんど実施できなかったことが主な原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の半分を経過したが、海外での調査が全く実施できなかった。残り2年間で調査結果をまとめるためには、調査地を絞って集中的に研究を進めていく必要があると考えている。アメリカ合衆国の調査では、研究協力者との連携が取れているため、そちらを集中的に進める予定である。また、国内の調査は既存のデータが多くある愛媛県、宮崎県を中心に進めていく。
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Causes of Carryover |
国内外での調査がほとんど実施できなかったことから、それらに関係した旅費、協力者への謝金、資料輸送費などが使用できなかったため。
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