2023 Fiscal Year Annual Research Report
径方向に振動する電磁アクチュエータを用いた交流モータのトルクリップル低減法の構築
Project/Area Number |
21K14135
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
加藤 雅之 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (20851265)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トルクリップル / 交流モータ / リニアアクチュエータ / コリオリ力 / スリップリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,交流モータにおけるトルクリップル抑制法の構築である.交流モータの回転子表面に設置されたリニア振動アクチュエータ(LOA)が半径方向 に振動することにより生じるコリオリ力をトルクリップルの減衰に用いるのが基本方針である.2023年度の研究成果は以下のとおりである. ・ソレノイドアクチュエータを用いたばね振り子型の簡易検証装置を製作し,トルクリップル抑制法の実験検証を行った.モータの一定回転運動を考慮せず,振り子運動によりトルクリップルを模擬することで,円滑な実験検証が可能となった.振り子運動に同期した電流指令をマイコンからソレノイドアクチュエータに供給することでプランジャが加振され,結果的にコリオリ力が増加することでトルクリップルが抑制されることを実験的に確認した. ・モータの一定回転運動を考慮するために,縦置きの実験装置を開発した.ロータを模擬した回転円盤がDCモータによって強制回転する.回転円盤上に配置されたLOAの可動子に加速度センサを取り付け,センサ信号をスリップリングを介してアンプに入力し,加速度波形を観測した.その結果,回転円盤の速度脈動の2倍の周波数で遠心力脈動が生じ,これがLOAの共振周波数と一致した場合にLOAが大きく振動しトルクリップル抑制効果が発揮されることが明らかになった. 以上のとおり,研究期間全体を通じて提案するトルクリップル抑制法の有効性検証には至ったが,スリップリングや複雑な制御を要する点において課題が残った.
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