2021 Fiscal Year Research-status Report
Research of Pretending Design Technique in Japanese Houses
Project/Area Number |
21K14336
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
坂井 禎介 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 研究員 (30865689)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 住宅 / 民家 / 書院 / 意匠 / 庫裏 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、見せかけの意匠技法の分析という従来にはない新しい手法で住宅系建築を中心に日本建築を文献調査および現地調査し、見せかけ技法が用いられる箇所や形状を明らかにしていくことを目的としている。さらに見せかけ技法がなぜ用いられたのか、意匠的に何を意図しているのかを考察することで、従来とは異なる新たな意匠観を見出す。今年度は具体的には以下の研究実績があった。以下の1,2は予定通り終わり、5は予定よりも進んだ。4に力をいれすぎて、本研究のメインである3の住宅系建築の研究が遅れ気味のため、来年度は3と5に注力していきたい。 1 物品購入…電子機器等の機材の購入を行い、研究設備を整えた。 2 先行研究調査…先行研究の収集のため、図書館で住宅関係資料のコピーを図書館等で行った。 3 詳細調査…重要文化財建造物の修理工事報告書を詳しく読み込んで分析した。庫裏21棟が終わり、実測すべき建物の選定も終わった。 4 概略調査…住宅系建築に限らず、すべての建築形式で、見せかけ技法の概略を読み取る。これは、全建築形式の重要文化財建造物の修理工事報告書を対象としている。約2000棟の内、約400棟の調査が終わった。 5 現地調査…住宅系建築の現地調査を行った。見せかけ技法が多いと分かった愛知の明治の洋館や福岡の庫裏の調査を行った。また、見せかけ技法の文献調査を進める中で、石垣における巨石の見せかけも見出し、巨石が使用された石垣の調査も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目は、「コロナウイルスの流行が収まる時期が不明なため、専ら報告書による分析を行い、修理工事報告書で判別しがたい建築や、現地調査すべき建築を見定める」予定としていた。予定通り、報告書の分析を行うとともに、現地調査すべき建築が定まった。しかし、報告書による分析は、住宅系建築以外の概略分析に力をいれすぎたため、やや遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
1現地調査…1年目の文献調査によって、現地確認及び現地実測すべき住宅系の建造物を見定めた。特に、近畿や北陸や山梨等に所在する庫裏や書院で見せかけ技法が散見されたので、現地確認を行う。 2文献調査…修理工事報告書による文献調査は、庫裏が終了した。令和4年度は本研究対象のメインである、書院、方丈に絞って研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
物品費が、カメラの購入機器種別の見直し等によって、想定より少なく抑えられた。 文献調査の遅れにより現地実測すべき建物が定まっていないことや、コロナの影響で、現地実測に行く回数が少なかった。 余った分は、次年度、現地実測に使用する予定。
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