2023 Fiscal Year Research-status Report
Research of Pretending Design Technique in Japanese Houses
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21K14336
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
坂井 禎介 奈良女子大学, 生活環境科学系, 専任講師 (30865689)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 方丈 / 意匠 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、見せかけの意匠技法の分析という従来にはない新しい手法で住宅系建築を中心に日本建築を文献調査および現地調査し、見せかけ技法が用いられる箇所や形状を明らかにしていくことを目的としている。さらに見せかけ技法がなぜ用いられたのか、意匠的に何を意図しているのかを考察することで、従来とは異なる新たな意匠観を見出す。今年度は具体的には以下の研究実績があった。
1論文投稿…庫裏の研究が一通り終わり、論文投稿を行い審査中である。建築学会大会で「三渓園臨春閣の一木造り出し胴差にみる、意匠操作技法」と題して発表を行った。
2研究の新視点…方丈の研究を進めているが、その中で、軒や柱などを軽快に見せる意匠操作が多数発見された。例えば15世紀前期の竜吟庵方丈は、内部には15cmほどの径の太い桔木があるが、表には非常に細い部材(垂木幅6センチほど)がもちいられる。つまり、内部には太い部材を使用しても、外には非常に軽快に見せる。このような軽快な住宅系建築が建築意匠史の中でどのように位置づけられるのかを研究する必要があると考えた。 その視点を持ち、方丈内部を観察すると、内部の障壁画に竹林七賢図のような隠遁者の姿や、大きな山や川の流れの上にひっそりとたたずむ小さな庵が描かれていることにも気づいた。逆に外を見ると、庭に枯山水があり、山水を表現している。まるで障壁画の中の世界のように、大きな山水の中にたたずむ草庵のイメージが、方丈ではないか。これは方丈のみならず、住宅系建築全体に通底している可能性がある。そのような新たな視点をもったので、その視点で研究をまとめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文投稿を行うとともに、今年度予定していた庫裏の研究が完了した。これから方丈などの調査研究を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
方丈の研究を、美術史、庭園史の横断的視点から進めていく。それにより、住宅系建築における美意識を明らかにしていきたい。
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