2022 Fiscal Year Annual Research Report
ミュオン誘起ソフトエラー評価に向けた低速宇宙線ミュオン識別エネルギー測定系の開発
Project/Area Number |
21K14564
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川瀬 頌一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (10817133)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 宇宙線計測 / チェレンコフ検出器 / 粒子識別 / 宇宙線ミュオン |
Outline of Annual Research Achievements |
宇宙線ミュオンに起因する半導体デバイスでのソフトエラー率の高精度評価のためには、計算機が実際に設置される環境における低速宇宙線ミュオンの流束の実測データが必要である。本研究では、低エネルギー宇宙線ミュオンの流束測定において主なバックグラウンドとなる宇宙線電子由来のイベントを宇宙線ミュオン由来のイベントと弁別し、さらにその発光量から宇宙線ミュオンの運動エネルギーを測定するチェレンコフ検出器の開発を行った。 最終年度は前年度に製作したチェレンコフ検出器について放射線源や宇宙線を用いたテストを行った。まず、エネルギーの異なるガンマ線源を検出器上部に設置した際の光量測定においてGeant4シミュレーションと矛盾の無い結果が得られ、実際にチェレンコフ光が検出できていることを確認した。また、プラスチックシンチレータを併用し、宇宙線の2点間の飛行時間とチェレンコフ検出器におけるチェレンコフ光量の同時測定を行った。宇宙線粒子の速度が大きくなるほど測定されるチェレンコフ光量が大きくなる傾向と矛盾の無い結果が得られることを確認した。 その後、既存の低速宇宙線ミュオン流束測定装置と同期してデータ取得を行うデータ取得系の開発を行い、計画していたフルセットアップでの低速宇宙線ミュオン測定を開始した。今後、低速宇宙線ミュオンの実測データを用いて今回開発した検出器による粒子弁別能およびエネルギー分解能の評価を行う予定である。
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Research Products
(2 results)