2023 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on nonlocal excited-state dynamics in semiconductors via novel computational-chemistry techniques
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21K14591
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浦谷 浩輝 京都大学, 工学研究科, 特定助教 (50897296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 励起状態 / 半導体 / ダイナミクス / 量子化学 / 計算化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまで開発および応用してきたpatchwork-approximation (PA)-based Ehrenfest法について、その適用対象の拡張およびより詳細な結果解析を目指し、2つの方向に手法面の拡張を行った。 1つ目に、これまでPA-based Ehrenfest法は純粋なスピン一重項状態だけを想定したものであったが、スピン状態の変化を伴う過程(系間交差および逆系間交差)にも適用可能とするべく、拡張に向けた取り組みを進めた。具体的には、異なるスピン状態を混合する効果であるスピン軌道相互作用を密度汎関数強束縛(DFTB)法に基づいて評価し、これに伴う一重項・三重項混合状態の記述を行った。また、同手法を非断熱分子動力学法の一種であるsurface hopping法と組み合わせることで系間交差の記述ができることを実証した。ただし、同手法をPA-based Ehrenfest法に組み込む作業は将来的な課題として残された。 2つ目に、結果の解釈をより容易にすることを目指した改良を進めた。これまでのPA-based Ehrenfest法では時間依存する電子状態を記述するために1電子縮約密度行列を用いていたため、電子密度や電気双極子モーメント等の物理量は計算できるものの、電子状態にどのような電子配置が寄与しているのかを容易に知ることはできなかった。このため、記述される電子状態を定性的に解釈することは困難であった。本研究ではこの点を改善するべく、考えられる電子配置の線形結合で電子状態を記述することとし、各配置の係数および配置を構成する分子軌道を時間依存シュレーディンガー方程式に基づき時間発展させる手法の定式化を行った。
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Research Products
(6 results)