2022 Fiscal Year Research-status Report
消費者の農産物に対する嗜好性を組み込んだ購買行動モデルの構築に関する研究
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21K14932
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上西 良廣 九州大学, 農学研究院, 助教 (60783248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 嗜好性 / 購買行動 / 機器測定 / 消費者評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、消費者への定量・定性調査をもとに、対象農産物の評価を、提示された商品情報への反応や消費者の経済的・非経済的属性だけでなく、対象農産物の嗜好性評価も組み込んで把握する購買行動モデルを構築することを目的としている。さらに、機器測定値や個人の味覚意識と嗜好性評価との関係を明らかにし、これらを嗜好性評価の代替指標とした購買行動モデルを構築することを目的とする。 二年目となる2022年度は、消費者を対象とした嗜好性調査の設計を目的として現地調査を実施した。具体的には、嗜好性調査の実施時期、品種、加工品の形態(焼き芋、干し芋)等について検討することを目的として、サツマイモ産出額が国内第1位である茨城県におけるカンショの作付け動向、行政から農業者への支援事業、海外への輸出状況等について調査を行った。調査の結果、茨城県内の生産者は、主に生食用カンショを生産する大規模農家と、干し芋用カンショを生産する小規模農家の2タイプが存在していることが明らかとなった。また、干し芋用品種に関しては、かつてはタマユタカが主力であったが、近年はべにはるか、シルクスイートが中心であり、品種の交代が進んでいる。さらに、茨城県では、生産面積の規模拡大や、農外からの新規参入の促進を目的として、生産者と加工業者をマッチングする取組を行っている。最後に、初年度に引き続き、海外の研究も対象として、嗜好性調査に関する研究動向を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、当初予定していた消費者を対象とした嗜好性調査を実施できなかったため、やや遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査結果を踏まえて消費者を対象とした嗜好性調査を実施し、本研究における二つの課題(「嗜好性評価が購買意向に及ぼす影響を解明し、嗜好性評価を組み込んだ購買行動モデルを構築する(課題1)」、「機器測定値と嗜好性評価の関係、及び味覚意識と嗜好性評価との関係を解明する(課題2)」)に接近する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、当初予定していた焼き芋の嗜好性調査を実施することはできなかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、当初予定していた調査を実施することで使用予定である。
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