2021 Fiscal Year Annual Research Report
ER-associated regulation of selective clearance of mitochondria
Project/Area Number |
21K15041
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 真駿 大阪大学, 生命機能研究科, 特任研究員 (20897938)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / オートファジー / マイトファジー / 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイトファジーは、傷害あるいは余剰ミトコンドリアをオートファジーの系を利用して選択的に分解する経路である。申請者の所属グループは最近、(1)小胞体に蓄積した不良タンパク質の分解を担うERADシステムのE3ユビキチンリガーゼ・Doa10複合体が酵母マイトファジーの分別標識タンパク質Atg32をユビキチン化すること、(2)C末端に1つの膜貫通ドメインを持つテイルアンカー型(TA)タンパク質の小胞体膜への挿入を促進するGET (Guided entry of tail-anchored protein) 経路を介して、Atg32が小胞体へと局在化することを示した。GET経路では、細胞質でTA型タンパク質を捕捉するシャペロンGet3、小胞体膜上で複合体を形成しGet3からTA型タンパク質を受け取り小胞体膜へ挿入するGet1/2複合体が重要である。これらGetタンパク質の欠損で、Doa10とAtg32の相互作用が著減することも見出していた。以上より、Atg32がGET経路を介して小胞体へと運ばれ、そこでDoa10によるユビキチン化を受け、分解されている可能性がある。 今年度の研究では新たに、Atg32とGet1が相互作用することを免疫沈降により示し、この相互作用が Get3欠損時に著しく減少することを示した。このことから、Atg32がGet3を介してGet1/2複合体へと運ばれ、小胞体へと輸送される可能性が示唆される。さらに、Atg32を過剰発現させ、Doa10を欠損させた細胞では、小胞体特異的オートファジーであるERファジーの必須タンパク質Atg39/Atg40を欠損させた細胞においても小胞体の分解が見られることを示した。このことは、小胞体へと輸送されたAtg32がオートファジーマシナリーを小胞体へと集積させ、ERファジーを不必要に誘導している可能性を提起している。
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