2021 Fiscal Year Research-status Report
子宮頸癌のMR-only simulationを目指した合成CTの新規開発
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21K15822
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
黒川 茉梨絵 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00894990)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 合成CT / 子宮頸がん / MR-only simulation |
Outline of Annual Research Achievements |
MRIはCTに比べて軟部組織のコントラストが優れていることに加えて、放射線量を増加させることなく、ターゲット特定のための機能画像を得られるなどの利点がある。近年MR単独放射線治療計画(MR-only simulation)が提唱され始めている。それに対応可能なMRI画像誘導即時適応放射線治療装置が2021年当施設に日本初導入された。女性骨盤に対するMR-only simulationの報告はほとんどないため、MR-only simulationの臨床導入を目指して、MR画像データをCTのような画像に変換する手法、合成CT(Synthetic-CT: SCT)の開発が望まれている現状である。本年度はコロナ禍により海外からのエンジニアが来日できず、装置の稼働が当初の計画よりも遅れる事態となった。そのため画像を取得することができず、来年度以降に患者集積を早急に実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1.5テスラMRIイメージガイド下放射線治療システム「Elekta Unity」が2021年、当施設に日本初導入となった。Unityは7 MVリニアックシステムと1.5テスラ超電導MRIシステムを一体化した高精度放射線治療システムである。しかしこのコロナ禍において、海外のエンジニアの来日などの都合もあり、装置の設定や線量校正などが計画よりも遅延し、臨床稼働が開始となったのは令和4年1月からだった。関わるスタッフの習熟なども考慮し、令和4年度から本格的に画像集積を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、婦人科より紹介される根治的放射線治療の適応がある子宮頸癌で、この研究に画像提供をしてくれる症例の集積を継続する。そしてUnityで撮影した画像と診断用MRI、治療計画CTで撮影した画像を利用して、MRIからCTへの画像変換におけるdeep learningモデルの適応およびモデルの最適化を目的として、千葉大学工学部の方の協力を得ながらGANやautoencoderを用いて画像変換が可能か、治療計画で用いることが可能かを検討する。 次に、放射線治療で照射された光子の振る舞いは、光子のエネルギーと物質の電子密度に規定され、CT値が電池密度に近似できることに起因する。新規に導入したdual energy CT「GE Healthcare Revolution CT Apex」を用いて原子番号画像/電子密度画像を作成する予定である。またMRIの技術に関しては、Philipsと共同研究中であり、同社の技術者のサポートを受けることができる。そのなかで骨を可視化する研究用シークエンス(BoneVIEW)は既に導入されており、位相画像の扱いやS-CTの精度向上に役立つか検討する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナ禍に伴いエンジニアが来日できず、装置の搬入、設置や線量校正などが予定よりも遅延し稼働開始となったのが令和4年1月からとなり、患者集積などできなかった。スタッフの習熟を考慮し、次年度より患者集積を開始し、それに伴いdeep learning用のPCやソフトウェアなどを揃え、画像の集積とともに解析を行なっていく。研究結果をもとに学会発表や論文作成などの準備をする。
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