2021 Fiscal Year Research-status Report
空洞電離箱線量計における極性効果補正方法の評価および改善
Project/Area Number |
21K15835
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Research Institution | Kyoto College of Medical Science |
Principal Investigator |
霜村 康平 京都医療科学大学, 医療科学部, 講師 (10638274)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 極性効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療用リニアックの出力線量管理はJSMP12法に従い空洞電離箱線量計によって計測の手順や測定条件が定められ計測される吸収線量にて評価される。本研究では、空洞電離箱線量計から得られる電離電荷量を得るに必要な極性効果補正係数に対する空気密度の影響と空気密度の変化を考慮した新たな極性効果補正方法を提示することである。 2021年度は、空洞電離箱線量計の検出器部の空気密度を調整することができる密封箱の開発および改善を実施した。1分間に0.1hPa以下の変化にとどめる密封性の高い箱を開発した。開発した箱内の気圧を変化させることで、空気密度を調整し空洞電離箱線量計の電離電荷量の変化を測定した。得られた電荷量にて、空気密度に対する極性効果補正係数の変化が取得可能となった。さらに、空気密度の変化を考慮した極性効果補正式を考案し、精度検証を実施した。実施した結果、医療用リニアックの経時的な出力変動を通常よりも高い精度にてモニタリングし補正する必要があリ、適切な検証結果を得ることができなかった。さらに、モニタリングに使用した空洞電離箱線量計が、測定室の空気温度および気圧の変動の影響を受けるため、医療用リニアックの出力変動と測定室の空気温度および気圧のモニタリングの精度を高める必要がある。2022年度は、明らかとなった改善点に対応するため、実験配置および使用機器について検討し、空気密度に対する影響を加味した極性補正方法の確立を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空洞電離箱線量計の検出器部の空気密度を調整することができる密封箱の開発および改善を実施した。1分間に0.1hPa以下の変化にとどめる密封性の高い箱が開発でき、本研究において最重要な実験道具が取得てきた。開発した箱内の気圧を変化させ、空気密度を調整し空洞電離箱線量計の電離電荷量の変化を測定することができ、医療用リニアックの経時的な出力変動のモニタリングが本研究に応じて適切に実施するのみであるため、おおむね当初の予定通りの進捗と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
医療用リニアックの経時的な出力変動のモニタリング精度を高めるため、モニタリングに使用する線量計、温度計、気圧計の配置を再検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染状況による影響にて、実験に協力いただく医療機関における実験回数が減ったこと、および、発表および調査を目的とした関連学会の学術大会への参加ができなかったことが、次年度使用額が生じた理由となる。次年度は、新型コロナウィルス感染状況にもよるが、昨年度参加を控えた学術大会に積極的に参加し、発表および情報収集を行う予定である。
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