2023 Fiscal Year Annual Research Report
レジスタントスターチによる腸内環境の改善と脂肪肝抑制効果の検討
Project/Area Number |
21K15950
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
畑澤 友里 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10898745)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪肝 / レジスタントスターチ / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題ではレジスタントスターチを含む高脂肪食を用い、脂肪肝が改善する機序を、腸内細菌叢の変化、短鎖脂肪酸およびその受容体GPR43の役割と宿主の代謝などの学術的側面から解明し、将来的な脂肪肝の発生および脂肪性肝疾患の進行抑止につながる知見を得ることを目的としていた。これまでの成果により、C57BL/6J雄マウスに対する、レジスタントスターチを含む高脂肪食を投与した群(HFD+RS群)では、高脂肪食を投与した群(HFD群)に比べて有意に体重増多の抑制効果と肝組織における脂肪肝の抑制効果が認められていた。 今年度は盲腸便中の短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸、プロピオン酸)をガスクロマトグラフィーにより測定した。また、盲腸便から16S rRNAシーケンス解析によって腸内細菌叢を解析した。16S rRNAシーケンスによって腸内細菌叢を解析すると、αdiversity(Chao 1 index, Shannon index)に関しては有意差はなかったが、βdiversityは異なる傾向が見られた。 また、HFD+RS4群はHFD群と比較して、短鎖脂肪酸を産生するBifidobacterium(17.99±1.94% vs. 3.59±0.69%, p=0.0019)およびLactobacillus(14.79±3.44% vs. 0.72±0.23%, p=0.0045)の割合が有意に増加していることが明らかとなった。
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