2023 Fiscal Year Research-status Report
胆汁酸性下痢症における新規診断法および革新的治療法の開発
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21K15955
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三澤 昇 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30806740)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 胆汁酸性下痢 |
Outline of Annual Research Achievements |
下痢症の治療は対症療法が中心となることが多く、使用できる薬剤の種類も限られており、治療に難渋することが日常臨床では多々見受けられる。胆汁酸性下痢症は、下痢型過敏性腸症候群(IBS-D:diarrhea-predominant irritable bowel syndrome)や機能性下痢症の患者に多数含まれていると考えられているが、診断法や治療法が確立されていないことから消化器病専門家の間でも疾患概念の認知度は低い疾患である。本研究では、C4(7α-hydroxy-4-cholesten-3-one)、FGF19(Fibroblast growth factor 19)を測定することにより、これまで診断が困難であった本疾患を採血で簡便に診断する方法を確立させ、さらに本疾患患者 に陰イオン交換樹脂、プラセボを用いたRCTを実施し、本疾患の治療法を確立させることを目的としている。 まずはじめの検討として、既存の治療ではコントロール不良な下痢症状を有するIBS-Dや機能性下痢症の患者を対象として、ベースライン期間(2週間)と陰イオン交換樹脂投与期間(2週間)の1日の平均排便回数の変化についての検討を策定した。その研究において、C4・FGF19を含めた血液検査を施行、効果があった患者と効果が無かった患者の比較検討を行い、陰イオン交換樹脂奏功群に対するC4、FGF19の診断感度やcut off設定を目指すこととした。 上記検討について患者のリクルートを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19に伴う診療抑制の影響でリクルートにやや難渋している
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記の検討で設定したcut off値をもとに異常値を認めた患者に対し陰イオン交換樹脂、プラセボを用いたRCTを実施するという2段階での研究を計画している
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Causes of Carryover |
当初は計画よりも進展があったため、前倒し支払請求することとしていたが、その後COVID19蔓延の影響でリクルートが進まなかったことなどから予定より少なく計上となり、次年度使用となった。引き続き計画を進めていく。
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