2021 Fiscal Year Research-status Report
次世代型組換えウイルスベクターを用いた三日熱マラリア2価ワクチン開発研究
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21K16317
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山本 祐太朗 金沢大学, 薬学系, 博士研究員 (30895446)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 三日熱マラリア / マラリアワクチン / 感染防御 / 伝播阻止 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、我々が独自開発した2種類のウイルスベクターよりなる次世代型組換えウイルスベクターワクチンプラットフォームを用いて、三日熱マラリア原虫に対して感染防御及び伝播阻止両効果を発揮する融合抗原を発現可能な三日熱マラリア2価ワクチン (Pvワクチン)の作製を完了した。(I) in vitro試験:ウェスタンブロッティング法による三日熱マラリア融合抗原タンパクの発現確認および間接蛍光抗体法による哺乳細胞へのトランスダクション発現確認を終え、作製したPvワクチンが予定通り哺乳細胞において十分な三日熱マラリア融合抗原タンパク発現機能を有していることを確認した。その後 (II) 液性免疫応答の評価:in vivo試験として、作製したPvワクチンをBalb/cマウス及びC57BL/6マウスに免疫し、ワクチン免疫により誘導される液性免疫をELISAにより確認し両マウス群において有意に高い抗体価が産生されていることを確認した。感染防御効果の評価:Balb/cマウスにPvワクチンを免疫し、最終免疫4週間後に三日熱マラリア遺伝子組換えネズミマラリア原虫によるスポロゾイトチャレンジ感染実験を行った。コントロールマウスでは10匹全てが感染し必ず死亡するチャレンジモデルにおいて、ワクチン免疫マウスの90% (9匹/10匹)がマラリアの症状を示さず、非常に高い感染防御効果が示された (現時点で再実験を実施中)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三日熱マラリア原虫に対し感染防御及び伝播阻止両効果を発揮する三日熱マラリア2価ワクチンを構築し、発現、免疫応答を確認後、すでに動物実験によりワクチン効果(感染防御)の検証に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度は、本ワクチンのもう1つの重要な機能である伝播阻止効果を国際共同研究強化(A)の研究費を用いて海外共同研究先 FMT-HVD (ブラジル マナウス)へ渡伯し評価する。伝播阻止効果の評価法には直接膜吸血法を採用し、ブラジルの三日熱マラリア患者血液と本ワクチン免疫マウス血清を混合してハマダラカに吸血させた後ハマダラカ中腸内のオーシスト減少率によって評価する。最終的な解析データを学術論文及び国際学会で発表する。
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