2021 Fiscal Year Research-status Report
門脈系IVRにおける細径システムでの新たな門脈アプローチ法の開発
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21K16478
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
丸野 美由希 大分大学, 医学部, 助教 (80596049)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 門脈系IVR / 門脈アプローチ法 / 経静脈的肝内門脈穿刺 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初は3Dプリンタにより門脈・肝静脈の中腔モデルを作成し、穿刺実験を行う方針としたが、病院研究棟工事に伴い、3Dプリンタ設置場所の確保が交付2年目以降にずれ込んだため、初年度は、肝硬変症例および正常肝症例の造影CT画像の抽出、および生体豚を用いた穿刺実験を行った。 生体豚を用いた穿刺実験では、大腿静脈からのアプローチで中肝静脈近位部から分岐する分枝を穿刺部位として、先端可変型マイクロカテーテルとさらに細径のマイクロカテーテルを同軸に使用して穿刺方向を決定し、穿通用の0.014インチ マイクロガイドワイヤで門脈穿刺が可能であった。 今回の実験結果より、穿刺針としては、穿通用ガイドワイヤを使用して実験継続が可能である。実験結果を踏まえた今後の課題として、穿刺方向決定のための先端可変型マイクロカテーテルは、マイクロカテーテルを肝静脈末梢枝に十分wedgさせるには既存のものでは先端カーブが大きく、より小さな先端カーブのものが必要である。穿刺部位については、末梢肝静脈は径が細く、先端可変型マイクロカテーテルを使用してマイクロカテーテルをwedgさせることが難しく、また、穿刺する門脈径の確保と穿刺後の門脈へのカテーテル挿入には、比較的中枢側の門脈分枝の穿刺が適すると思われ、右または中肝静脈の中枢側に下方から鋭角に流入する小静脈分枝から門脈右上分枝を標的に穿刺するルートが安全かつ容易であると思われる。穿刺実験で、マイクロガイドワイヤでの門脈穿刺後、細径のマイクロカテーテルは門脈への挿入が可能であったが、先端可変型マイクロカテーテルは実質を貫通できず、門脈への挿入が困難であったため、穿刺後の門脈へのシステム挿入には、5Fカテーテルによるバックアップ、サポートワイヤの使用や、穿刺ルートのdilationなどの工夫が必要であり、今後の検討課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3Dプリンタ設置場所の確保が交付2年目以降にずれ込んだため、門脈・肝静脈の中腔モデルを作成してのファントムモデルを使用した実験は施行できていない。しかしながら、生体豚を用いた穿刺実験により、穿刺デバイスについては方針が決定しており、今後の課題も抽出された。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に行った実験結果を国内学会にて発表予定である。 穿刺実験より、穿刺部位としては、右または中肝静脈の中枢側に下方から鋭角に流入する小静脈分枝から門脈右上分枝を標的に穿刺するルートが安全かつ容易であると思われ、肝硬変症例および正常肝症例の造影CT画像から作成した3D再構成画像を再検討し、至適穿刺部位を決定する。ファントムモデルを作成し、至適穿刺部位における穿刺の可否や門脈へのカテーテル挿入の可否、バックアップやサポートに適するシステムを評価していく方針である。
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Causes of Carryover |
3Dプリンタ設置場所の確保が交付2年目以降にずれ込んだため、3Dプリンタおよびワークステーションの購入に至らず、次年度使用額が生じた。病院研究棟工事終了次第、3Dプリンタの購入・設置を予定しており、ファントムモデルによる実験を行っていく予定である。
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