2021 Fiscal Year Research-status Report
卵巣癌微小環境における上皮間葉転換の免疫代謝への役割
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21K16768
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
滝 真奈 京都大学, 医学研究科, 助教 (20898077)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では卵巣癌をモデルとし、腫瘍細胞の上皮間葉転換が腫瘍微小環境における免疫細胞の代謝にどのような影響を与えるか検索することを目的としている。実際に上皮間葉転換の代表的な転写因子であるSnailの発現をshRNAを導入することで発現低下した細胞株を用い、まず腫瘍細胞の解糖系を検索した。Snailの発現低下細胞株において解糖系およびミトコンドリア代謝は低下していることを確認した。 次にマウスモデルを用いて実際に免疫細胞の代謝がどのように変化するのか確認するために、マウスモデルを確立することに着手した。実際にSnailの発現を低下させたマウス卵巣癌細胞株を用いて免疫正常マウスを使用した卵巣投与モデルにおける免疫状態を確認した。開腹し右卵巣に直接腫瘍細胞を投与し卵巣原発腫瘍および腹膜播種の進展の度合いはday14に確認した。 腫瘍は右卵巣に生着し、さらに大網・腹膜・腸間膜に播種病変を形成した。これはヒト臨床の卵巣癌進展を忠実に反映していた。Snail発現低下細胞株では播種形成があまりなく、コントロールと比較し差を認めた。卵巣原発巣の免疫状態を確認したところ、以前試した皮下モデルと同じような傾向の免疫状態を確認できた。 しかし卵巣投与の手技により腫瘍の進展にばらつきがあり、免疫細胞の代謝の状態を確認するためには卵巣投与モデルよりも皮下モデルの方が良いと考え、現在皮下モデルにて実験を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を遂行する上でマウスモデルを確立する必要があり、現時点でマウスモデルを皮下投与モデルで行っていくことが最善と判断することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
皮下投与モデルを用いて免疫細胞を抽出する。
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Causes of Carryover |
計画していたRNA-seqが現在提出できておらず、次年度に施行することとしたため。
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