2021 Fiscal Year Research-status Report
全ゲノムトリオ解析を用いた胎児染色体正常患者における不育症の原因遺伝子の解析
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21K16817
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
吉原 紘行 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30812094)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 不育症 / 原因不明不育症 / 全エクソームトリオ解析 / トリオ解析 / 全エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
不育症の胎児側の原因として、染色体異常だけではなく遺伝子変異の存在が想定されるものの、未だ解明されていない点が多い。不育症女性とその夫、胎児の3人を対象に次世代シーケンサーを用いた解析をすることにより、胎児の遺伝子変異に起因する不育症の原因遺伝子を同定する。 2021年度では16家系について検体収拾ができており、当院ウイルス学教授と協力し全エクソームシークエンスによる解析を進めている。症例数を増やすためにエクソーム解析とした。絨毛組織由来のDNAと母由来のDNAを識別するためショートタンデムリピート解析を利用している。 解析パイプラインについて概説する。生殖細胞変異の検出は、確立したパイプライン(Genomon-exome, http://genomon.hgc.jp/exome/) を用いて行った。配列リードはBurrows-Wheeler Alignerを用いてhg19参照ゲノムにアライメントされ、バリアントはPicard toolsを用いてPCR duplicateを除去したのち、VarScan2を用いて検出された。Variant allele frequency (VAF) >0.2 (20%) をカットオフ値として使用した。American College of Medical Genetics and Genomicsが発表したガイドラインに従い、マイナーアレル頻度が1%を超えるSNPsを削除した。これらのバリアントは、過去に病原性が報告された原因バリアント(カテゴリー1)、あるいは関連する障害を引き起こすと強く予想されるバリアント(ナンセンス、フレームシフト、スプライスサイトバリアントなど)(カテゴリー2)とした。病原性のさらなる証拠のないミスセンス変種など、意義不明のその他の変種は、本研究では非診断として扱った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに16家系分の検体を収集しており、次世代シーケンサーを用いトリオ解析を行ってきた。このペースで家系数を増やしていき、原因不明不育症における、胎児遺伝子異常に由来する原因遺伝子を見つけていく。絨毛組織からのDNA抽出では母体DNAが抽出されたと考えられる症例が含まれていたため、ショートタンデムリピート解析により絨毛組織由来のDNAと母体由来のDNAを識別することとしている。識別が確実にできるようになるとさらに症例数を伸ばしていけると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
絨毛組織由来のDNAと母由来のDNAを識別するためショートタンデムリピート解析を利用し、それらの混入がないことを確認して全エクソーム解析を進めていく。当院法医学教授と協力してショートタンデムリピート解析の確立を図り、さらに症例数を増やしていく予定である。その後のトリオ解析については当院ウイルス学教授と協力し、胎児の遺伝子変異に起因する不育症の原因遺伝子を同定する。
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Causes of Carryover |
絨毛由来のDNAを母体組織の混入なしに抽出する必要があり、ショートタンデムリピート解析を確立させる必要があった。そのため次世代シーケンサーによる解析を行う症例が次年度は増えると予想している。生じた次年度使用額についてはショートタンデムリピート解析およびエクソーム解析費用に使用する計画をしている。
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