• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

本邦における手話の失語症の実態調査および評価方法の開発

Research Project

Project/Area Number 21K17519
Research InstitutionNiigata University of Health and Welfare

Principal Investigator

伊藤 さゆり  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (50824463)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords手話失語 / 手話の失語症 / 手話 / 言語聴覚士 / 失語症 / 評価 / リハビリテーション
Outline of Annual Research Achievements

手話を使用している聾者が失語症となった場合,手話を理解したり産出したりするのが困難になることが30年前から広く研究されている.手話の言語機能は音声言語や文字言語と同様に左半球が担っており,左前頭葉や左側頭葉の関与が報告されている. 海外では手話の失語症の研究は多く報告され, 単一症例の報告だけでなく複数症例を対象とした研究も報告されている.一方で本邦における手話の失語症の研究は複数あるが,いずれも単一症例の報告であり,手話の失語症患者の人数や臨床現場での支援の現状などの詳細は明らかになっていない.
そこで今回,石川,新潟,山形3県の言語聴覚士が在籍する施設に対し,アンケートおよびインタビュー調査を通して,「手話の失語症」者への支援の実態とその課題を検討した.
【対象】石川,新潟,山形3県の言語聴覚士が在籍する計213施設 (石川県49施設,新潟県117施設,山形県47施設) .
【方法】アンケートー調査にて,「手話の失語症」についての認識や,過去5年間の「手話の失語症」の症例数,「手話の失語症」症例に実施可能な支援について調査した.「手話の失語症」を経験した施設に対しては,症例の症状や実施した支援の内容についてインタビュー調査を行った.
【結果】「手話の失語症」の存在については半数以上の施設で,「手話の失語症」の症状となると7割以上の施設で,十分な知識を持つ言語聴覚士がいないことが明らかになった.「手話の失語症」症例への実施可能な支援では,聴者向けの検査やリハビリテーションを利用するとした回答が最も多く報告された.症例数は,1県あたり1,2症例が報告された.
【考察】言語聴覚士にとって「手話の失語症」に関する認識は十分ではなく,障害特性に特化した支援の提供も難しい現状が明らかになった.今後は調査範囲を全国に広げて現状を調査していく.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

言語聴覚士学会での発表によって,全国調査を開始することを周知できた.各都道府県の言語聴覚士会を通して調査を周知していく準備を進めている.また,聾者側への調査も準備を進めており,すでにプレ調査として新潟県聴覚障害者協会での調査を終えている.

Strategy for Future Research Activity

全国の言語聴覚士のいる施設および全国の聴覚障害者協会を対象に調査範囲を拡大し,支援を提供する言語聴覚士,支援を受ける聾者の両面から,「手話の失語症」を取り巻く実態を把握していく.
また,「手話の失語症」に特化した評価方法の開発に向けて,手話による呼称検査に使用できる手話単語の選定を進めていく予定である.

Causes of Carryover

次年度からは調査対象を全国に拡大することにより,調査に要する物品や旅費などがより多く必要なってくるため,次年度使用額が生じた.

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 石川・新潟・山形 3県における「手話の失語症」の実態調査2021

    • Author(s)
      伊藤さゆり,伊藤嘉高,武井渡,鈴木匡子
    • Organizer
      第22回日本言語聴覚学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi