2022 Fiscal Year Research-status Report
家庭用電池の排出実態と適正回収に関する動的フロー分析
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21K17921
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 順也 京都大学, 環境安全保健機構, 准教授 (20522444)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小形電池 / 一次電池 / 二次電池 / アンケート調査 / 物質フロー分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度(1年目)は、インターネットアンケート調査によって一次電池・二次電池の家庭内フロー(購入量、使用・退蔵量、廃棄量)や行動・意識を明らかにした。今年度(2年目)は、統計情報や先行研究を元に家庭で一次電池・二次電池を使用する電池使用製品(長寿命製品)を35製品選出した。そして、電池使用製品とその使用電池の使用状況を調査することを目的にインターネットアンケート調査(有効回答数1800人)を実施した。その結果、一人当たりの電子使用製品の保有数(家族と共有している場合は世帯人数で補正)は合計15.1個/人となり、内訳としては多いものからリモコン類2.4個/人、置時計・掛時計1.4個/人、携帯電話1.2個/人となった。電池使用製品別の使用電池の種類については、例えばリモコン類の80%、置時計・掛時計の81%が一次電池を使用していることが明らかになり、二次電池への代替の余地が残っていることが示唆された。また、同アンケートにおいて電池使用製品別の使用時間も調査しており、電池の交換頻度と廃棄本数を今後推定する予定である。 また、電池使用製品廃棄時の電池の取り外し状況についての設問では、「取り外しができないものを除き、必ず取り除くようにしている」の回答割合が64%となり、概ね取り外される傾向にあることが確認された。一方、8.8%の回答者は「取り外したことはない」と回答しており、不適正排出の懸念もあることから一次電池、二次電池の正しい排出方法の周知の重要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市民の一次電池、二次電池ならびに電池使用製品の使用~廃棄実態や意識・行動の把握について、概ね計画どおりに進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年間の研究において、研究計画の①(入手・使用)市民の電池・電池使用製品の使用・実態把握調査、②(退蔵・排出)排出行動・排出方法に関する実態把握・意識調査、について解析・基礎情報を得ることができた。 3年目は①、②の情報収集を継続しつつ、③(フロー)二次電池ならびに含有物質の排出量予測と代替・回収策の動的フロー分析、に着手する。
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