2022 Fiscal Year Research-status Report
PET/CT画像を用いた深層学習に基づく放射線治療計画支援システムの開発
Project/Area Number |
21K18088
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
三本 拓也 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (90593038)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PET / GTV / Deep Learning / DCNN / brain |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療計画における治療体積の決定に陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)から得られる機能画像を利用する試みがされている。放射線治療における治療体積は、肉眼的腫瘍体積(Gross tumor volume: GTV)に基づき治療の計画がされており、GTVを描出する一般的な方法は、治療計画CTの画像上で放射線治療専門医が手動によって病変を描出する方法である。しかし、GTVの描出は複雑な部位で時間を要し、かつ主観的手法であるため経験年数によって描出精度が異なる。本研究では、放射線治療計画を支援するためPET/CT検査における2つのモダリティ画像(PET画像とCT画像)を用いた深層学習によりGTVを自動描出するソフトウェアを開発する。 本年度は、放射線治療計画を支援するためにMethionine-PET/CT検査における2つのモダリティ画像を用いた深層学習により、GTVを自動描出するためのネットワークを構築した。プログラミング言語Pythonで構築したネットワークは、5階層のU-Netアーキテクチャである。構築したモデルが描画したGTVと放射線治療専門医が描画したGTVの一致度をDiceスコアにより評価した。また、教師データ(放射線治療医が描出したGTV)と推論データ(AIが描出したGTV)を重ね合わせたFusion画像を作成し、それぞれの画像が色で区別できるように塗り分けてモデルの性能を客観的に評価した。データセットは、Methionine-PET/CT検査を実施して脳腫瘍を有していた20症例で、PET画像とCT画像をそれぞれトレーニングデータ、検証データ、テストデータの3つに分けて学習を行った。CT画像のみとPET画像のみで学習したときの自動描出の平均Diceスコアは、それぞれ40%と63%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年度の研究計画は、ソフトウェア構築のためのトレーニングおよびテストが目標であった。おおむね研究計画書の通り進めることができた。放射線治療医がCT画像とPET画像から描出したGTV領域(CT画像のみ、PET画像のみ、両方の画像を使用した3パターン)を用いてトレーニングを行い、放射線治療専門医が描出したGTVと同じ領域を描出できるように必要な特徴を学習させ、テストを行いAIが描出したGTVの結果と放射線治療専門医が描出したGTVをDice similarity coefficient(DSC)によって評価を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究計画目標は、ソフトウェアによるGTVの臨床的有用性の評価および論文作成としている。ソフトウェアの自動描出精度をさらに向上させるため、データのオグメンテーションを行い教育データ数を増加させ、さらに学習時のパラメータ調整を試みる。現状のソフトウェアは、本来の目標であるCT画像およびPET画像の併用ではなくCT画像およびPET画像に対応した自動描出ソフトウェアである。CT画像とPET画像の両画像を教材として学習するマルチモダリティU-Net CNNモデルの構築に取り組みソフトウェアの自動描出精度を比較する。
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Causes of Carryover |
未使用額は、翌年度の消耗品などに割り当てる。
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