2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K18158
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福澤 健二 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60324448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 直輝 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50823283)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | フレキシブルセンサ / MEMS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,フレキシブルフィルムを用いた新しい3次元微細構造形成法を提案し,微細フレキシブルワイヤに,3次元構造を用いたマイクロ力学量センサを複数作りこんだマイクロ集積化ワイヤの基盤技術の確立を試みている.これまでフレキシブルフィルムのハンドリングは容易でなかった.3次元構造形成の基本となる2次元構造から3次元構造への変換について,フレキシブルフィルムの柔軟性を逆に生かした新規な方法論を提案し,3次元構造を集積化したフレキシブルワイヤという新しいセンシングデバイスの基盤技術を確立しようとするものである. 本研究では,とくにフレキシブルフィルムにおいて,ハンドリングを困難にしている柔軟性を逆に利用した微小3次元構造形成法の基盤確立を目的とする.具体的には,フレキシブルフィルムの特性を生かした方法を確立して,位置合わせ不要の多層化を可能とする.そして,フレキシブルフィルムを基にした極細ワイヤ状のデバイスを可能にし,フレキシブルかつ面積・体積を大幅に低減させたセンシングデバイスの原理確認を試みている. 昨年度までに,3次元構造形成の基盤となる,2次元構造として,電極となる金属膜と電極を分離するための貫通穴をパターニングしたフレキシブルフィルムが有効であることを確認した.本年度は,さらに,電極パターンと貫通孔パターンを形成したフレキシブルフィルムをフレキシブルフィルムの柔軟性を逆に生かした新規な3次元構造形成法により,静電容量型力センサの構築を試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属膜配線と貫通孔を形成したフレキシブルフィルムの巻き取りによる静電容量センサの構築を試みた.フレキシブルフィルムをその柔軟性を逆に生かした新規な方法論により,3次元的な構造である静電容量センサの構築が可能であることを確認できた.本研究達成のキーポイントとなる,2次元構造から3次元構造の構築という本研究で提案した構造形成法の原理確認に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
構築した静電容量型センサの力検出の原理確認と性能向上を試みる.電極に電圧を印加して静電容量の変化から,印加された力を検出する.ワイヤ径を小さくするには,作りこむセンサを小型化することが必須である.小形電極と貫通穴の構造形成法を開発するとともに,出力信号の微弱化に備えた高感度検出系も構築する.また,複数のセンサを作りこみ,同時計測も試みる.電極の取り出しが難しい場合は,出力信号から電気信号的に切り分けることも試みる.
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Causes of Carryover |
研究費の効率的な使用のため次年度使用額が発生した.出力信号の微弱化に備えた高感度信号検出系構築と複数のセンサからの信号検出系構築に用いる.
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