Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
本研究では、採取した試料の再加熱でケロジェンより炭化水素が新たに生成する温度を過去のTmaxとする仮説を立てている。この仮説を基に、「断層に記録された温度異常」を測定する短時間地質温度計の開発を目指している。この温度計を用いて、地震すべりを起こした断層のすべり速度・すべり量をより高精度で推定できれば、現実的な運動パラメータを用いたシミュレーションが可能となる。
地震・津波防災で最大クラスのハザードを対象とするには、原理・手法の異なる推定方法を対照して被害想定する必要がある。本研究では、従来のビトリナイト反射率異常に基づく地質温度計とは異なる原理の温度計の開発を目指しており、この点から、オルタナティブとしてのポジションが期待される。また、短時間・高温領域で使用可能な地質温度計となれば、より広範囲ですべり速度・すべり量の推定精度が上がることが期待される。