2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on a methodology that gives a bird's-eye view of interdisciplinary relationships based on statistics and machine learning
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21K18309
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
松井 知子 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (10370090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 大輔 統計数理研究所, データ科学研究系, 助教 (20738249)
椿 広計 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (30155436)
高橋 泰城 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (60374170)
船渡川 伊久子 統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (80407931)
山形 与志樹 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科(日吉), 教授 (90239864)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | 異分野相関 / 統合評価モデル / データ駆動 / 確率モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19のパンデミックが世界経済に与える影響は、2008年の世界金融危機よりも深刻であり、COVID-19が経済や気候に与える影響を予測することは、現在、大きな関心事となっている。本研究では、経済への確率的ショックを含むように拡張したDICE(Dynamic Integrated Climate-Economy)モデルを用いて、COVID-19のようなショックイベントが経済や気候に与える影響を検討した。DICEモデルの基礎となる状態変数に確率的な要素を取り入れ、再帰的な動的計画問題として解くことを試みた。ショックイベントによって引き起こされるジャンププロセスとして、離散的な確率的ショック変数を追加してDICEモデルを拡張し、ストレス状態と通常状態における経済をモデル化した。この拡張モデルをショックイベントが100年に1度ランダムに発生し、それが5年間続くと仮定して、最適確率制御問題としていくつかのシナリオで解いた。その結果、各ショックイベント後に世界の総生産が完全に回復するならば、COVID-19のショックイベントが気温や炭素濃度に与える影響は、保守的に5年間で年間の総生産が10%減少した場合でも重大ではないことを示した。しかし、ショックイベントによって生産高が5%減少し、再帰的に生産性の低下をもたらして次の期間に伝播した場合には、長期的な気温低下は0.1℃であるものの、炭素濃度に与える影響は大きいことを示した。決定論的なDICEモデルを用いた場合には、気温低下はより大きくなることを示した(約0.25℃)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究スケジュールでは、2021年度には主にDICEモデルに対する取り組みを実施し、その詳細化した地域版であるRICE(Regional Integrated Climate-Economy model)モデルへの検討を開始する予定である。DICEモデルへの取り組みは予定通りに進展したが、RICEモデルへの取り組みが遅れているため、おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、DICEモデルに加えて、RICEモデルをデータ駆動型の確率モデルに転換する課題に取り組む。これを通して、 様々なIAMをデータ駆動型の確率モデルに転換する汎用性の高い方法論Iを開発する。次いで、方法論Iにより転換した気候変動の緩行事象のDICE/RICEモデルに、パンデミック発生の突発事象を統合する課題に取り組む。これを通して、多目的に対応して様々な突発・緩行事象を包括できるモデル統合の汎用的な方法論IIの検討を開始する。 方法論Iについては、RICEモデルを確率論的に再構築する。これにより、DICE/RICEモデルに含まれる状態変数に関わる不確かさを捉える機能を開発する。また、DICE/RICEモデルのパラメータについて、状況変化に応じて、データ同化の手法によりパラメータを観測データに基づき更新する機能を検討する。 方法論IIについては、DICE/RICEの転換モデルの状態変数を共用したり、パンデミック発生の突発事象に固有の確率論的な状態変数を新たに導入して統計モデル化することを試みる。さらに、DICE/RICEモデルにおいて、複数の目的関数をパレート最適化するアルゴリズムについて検討を開始する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、当初予定の学会参加や研究打合せのための出張ができなかったため。
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Research Products
(6 results)