2021 Fiscal Year Research-status Report
Experimental Research of Judiciary Politics
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21K18409
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森田 果 東北大学, 法学研究科, 教授 (40292817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾野 嘉邦 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70598664)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 実証法学 / 実験 / 消費者法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究計画の初年度であり,本来であれば,今後の研究計画遂行のための基礎的な理論的基盤の構築やデータの収集を中心的に行うはずであったが,一定程度の研究成果をすでに公表することができた。 まず,研究代表者森田と研究分担者尾野の共同研究は,オンラインサーベイ実験を通じて,裁判員裁判への国民の参加の是非の意思決定が,どのような要因に基づいてなされるのかを探求した。裁判員裁判への国民の参加は,制度開始以来,次第に減少してきており,最高裁判所は,裁判員裁判への参加度合いを高めるために腐心してきた。森田と尾野の共同研究は,この点について,ランダム化比較対照実験を通じた強固なエビデンスを提供しようとするものであり,2021年の法律時報誌の「学会回顧」においても,その政策的・学術的な意義が高く評価されている。 さらに,研究分担者尾野は,納税義務の遵守状況について,実験によって検証した研究成果や,裁判官の行った判決に対し,裁判官の属性(人種・性別)などによって,受け手(一般国民)の公正性評価がどのように違ってくるのかについて,オンラインサーベイ実験を通じた研究成果を公表している。 また,CELS(Conference for Empirical Legal Studies)やMPSA(Annual Meeting of Midwest Political Science Association)・JSQPS(Japan Society of Quantitative Political Science)などの各種国際学会への参加を通じて,最先端の実証研究の手法やテーマ設定のあり方などについての情報収集にも務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の初年度でありながらも,一定程度の研究成果を講評することができており,研究計画の進捗状況としては,おおむね順調なものと評価することができる。研究の実施についても,COVID-19の下でありながら,オンラインサーベイ実験を実施するなど,当初の予定通りに順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの進捗状況がおおむね順調なものと評価できることから,今後の研究についても,当初の研究計画通りに遂行することを目指す。具体的には,オンライン実験を中心とした実証研究を実施することによって,様々なモデルを検証するとともに,それによって得られた研究成果を,学会や論文といった形で講評していくことを目指す。
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Causes of Carryover |
実施予定のオンラインサーベイ実験について,検証に必要なパワーを得るための十分なサンプルサイズを確保するためには,単年度の予算ではまかないきれない予算を使用して実験を実施する必要があり,そのために,次年度以降の予算とまとめて実験を実施することとした。
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Research Products
(3 results)