2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of remote teamwork competency and its evaluation scale incorporating astronaut training
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21K18445
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| Research Institution | Ritsumeikan University |
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Principal Investigator |
湊 宣明 立命館大学, テクノロジー・マネジメント研究科, 教授 (30567756)
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| Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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| Keywords | 宇宙飛資源管理 / SFRM / 宇宙飛行士 / トレーニング設計 / リモートワーク / チームワーク / 効果測定 / 遠隔協調行動能力 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
米国航空宇宙局（NASA）の宇宙飛行士訓練で用いられるアナログ型シミュレーションMoon Base Tabletop Simulation (MBTS)を参考にして、遠隔環境での協調行動を再現したシミュレーション訓練をオンライン環境で実装した。MBTSでは、4人1組が異なる部屋に隔離され、トランシーバーでの音声コミュニケーションのみを通じて互いの状況認識を共有しながらチームとして行動する。配布される表形式の地図、ペン、ストップウォッチ、指示カードを用いて、サイコロを振り出た目の数に応じて地図上の位置を移動させながら、共通ゴールを目指す。行動上の制約として電力、酸素、制限時間などが存在し、また、通信途絶やトラブル発生にチームとして議論しながら対処する。本研究はオンライン環境でMBTS訓練を再現するため、ビデオ会議アプリケーションのブレイクアウト機能を用いて被験者を4人1組に分割し、音声通信のみを用いて互いの情報を共有させた。加えて、地図及び情報を共有する専用WEBアプリケーションを新たに開発した。これにより、受講者毎に隔離部屋が必要であった従来の訓練方式の物理的制約を解消すると同時に、国を超えたチーム行動能力の育成や比較検証も可能とした。さらに、40名の被験者を対象に、訓練システムの運用検証と効果測定を実施した。実験前及び実験直後、及び実験の1ヶ月後に、同じ測定尺度を用いてスキルの定量測定を行い、前後及び群間での差を統計検証した。測定尺度は複数の先行研究を参照して8種類のスキル毎に複数の質問項目を設定し、5段階リカート尺度で被験者の主観による回答を求めた。行動スキル8項目の測定結果に対し一元配置反復測定分散分析を行った結果、 開発した訓練に遠隔環境での協調行動能力を伸長させる効果があること、 また、 訓練実施一カ月後において効果が持続、 又は向上していることを確認した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、米国航空宇宙局（NASA）及び宇宙航空研究開発機構（JAXA）の宇宙飛行士訓練に関する体系的な文献調査を行い、MBTS訓練をオンライン環境で再現するための要求を分析した上で、シミュレーション訓練システムの仕様設計を行った。また、仕様定義に基づき訓練システムのプロトタイプを実装し、システムの試行的な運用及び効果測定までを完了することができた。これらの研究成果を国内学会（2件）、国際学会（2件）で発表し、国際学会誌1件へ投稿し、採択済であることから、概ね順調に進捗していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、①より評価指標の精緻化、②シナリオ改修、③効果検証の蓄積、を実施する。評価指標に関しては、宇宙飛行資源管理（SFRM）の中核スキル群（Baldwin 2008）として定義される8スキルを定量的に測定するため、新たな測定尺度を開発している. このSFRMスキル測定尺度は39項目の質問文から構成され, 5段階Likert尺度を用いて, 参加者の主観による回答を依頼する形式である.一部の質問項目の信頼性係数に不安定さがみられたため、再度文献調査を行いより精緻な評価指標の開発を目指す。また、複数の訓練シナリオを用意し、突発的な緊急事態発生へのチーム対応能力を検証可能な訓練システムを構築する。さらに、リモートワーク実践者及びオンライン学習実践者を対象にして複数回の訓練を行い、訓練システムの妥当性および汎用性を確認する。
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| Causes of Carryover |
2021年度は、新型コロナウイルス感染症による渡航制限の影響により、シンガポール国立大学（NUS）で実施予定であった現地実験を延期し、代わりに、オンライン訓練システムを活用した試行検証に切り替えることとしたため、主に海外旅費の未使用が発生した。また、対面環境を想定した実験支援のアルバイト雇用経費が同じく未使用となった。2022年度は、シンガポール国立大学での現地実験の準備を進めるとともに、米国航空宇宙局（NASA）、及び宇宙航空研究開発機構（JAXA）ヒューストン駐在員事務所を訪問し、宇宙飛行資源管理に係る最新研究動向を調査しつつ、本研究において開発する訓練システム及びスキル評価指標に対する妥当性確認を実施する計画である。また、2021年度に開発したオンライン訓練システムのユーザーインターフェースを改善するための機能改修を実施する。
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