2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on "Multitasking" in Time Use and Its Background and Consequences
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21K18450
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 賢示 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60734647)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | マルチタスク / 生活時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,一般的な社会調査では把握が難しい「マルチタスク」を測定するとともに,それが生じる社会的背景と,生活時間に対する人々の認識・評価に及ぼす影響の解明を試みることである。当該年度は,本研究課題に関連する先行研究のレビューをおこなうとともに,生活時間,マルチタスキング状況に対する意識,態度の測定項目についての文献調査を実施した。 また,オンライン調査会社の保有パネルを通じたウェブ調査により,上記の項目について探索的な分析をおこない,特に生活のデジタル化との関連を検討した。その結果,さまざまなデジタルツールやデジタルサービスの利用の程度が高い人々は,生活時間の圧迫度が相対的に高い一方で,時間を効率的に使っている様子も明らかに明らかになった。 上記の結果は共著の書籍にまとめているほか,本研究課題と関連の強い政府統計である「社会生活基本調査」の概要と研究データとしての重要性に関するレビュー,議論をエッセイとしてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度には,住民基本台帳にもとづく無作為抽出標本による調査を実施する予定であったが,年度内の実施が困難であった。一つにはCOVID-19の影響があり,研究計画書で予定していた調査時期には日本国内での感染の広がりがみられていた。人々の日常的な行動をリアルタイムで記録しようとする本研究課題の目的に即して考えると,COVID-19の影響の強い状況での調査実施は,研究データのその後の分析に大きな制約をもたらす可能性があると判断した。そのため,当該年度の調査実施は見送ったが,同時に調査事項や先行研究の整理にエフォートを振り分け,次年度の円滑な実査遂行のために準備を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,実施予定の調査の企画・実施をすみやかにおこなう。また,本研究課題で予定しているのはオンラインによる調査であるため,データ整理にかかる時間が一般的な郵送法等による調査に比べると短い。その利点を活かし,速報的な分析結果なども積極的に発信してゆきたい。
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Causes of Carryover |
当該年度実施予定であった調査が実施できなかったため,それにかかる費用に相当する額として,次年度使用額が生じた。2022年度内に実査を遂行できる見込みで準備を進めている。
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