2021 Fiscal Year Research-status Report
Expediting and Elaborating Business Forecast Using Machine Learning
Project/Area Number |
21K18584
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
齊木 吉隆 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20433740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野崎 保 立正大学, 経済学部, 教授 (10233595)
武藤 誠 日本大学, 経済学部, 助教 (50898351)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 景気変動 / 機械学習 / 時系列解析 / 力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
一国の経済変動は多くの経済主体(政府、企業、家計、諸外国等)による集団現象である上に、決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それが定量的な決定論的モデリングを困難にさせてきた。高周波の振る舞いは主に確率的なものであり、低周波の振る舞いは主に構造変化等によるものである。中周波の振る舞いはマクロ的な振る舞いを示す決定論的なものが主であり、再帰性の高いダイナミクスを示していると期待できる。本研究では、中周波の振る舞いに着目した機械学習をおこない、これまで存在しなかった定量的な決定論的経済変動モデルの構築を目指している。本研究は機械学習を用いたデータ駆動型モデリング手法を経済データに適用することにより、集計結果が得られるまでに長い時間を要する景気指標を、迅速かつ精緻に推測することを目的とする。こうした知見の蓄積は政府の景気対策の有効性向上などを通して経済安定と経済発展に貢献することが期待される。経済変動に関する定量的な時間発展モデルの構築とそれを用いた将来予測をおこなう。 そのために,一国の経済変動に含まれる決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それらの分離が鍵となる。2021年度は、経済変動に見られる中周波の振る舞いから決定論的構造を見出すことを試みた。特に、日本の地域別景気指標である都道府県別鉱工業生産指数ならびにアメリカ合衆国の地域別景気指標である州別CIの月次時系列データ解析に取り組み、地域別景気指標の時系列をヒルベルト変換することで複素化し、時々刻々の位相を定義することによって同期レベルの推移を明らかにした。そして、その同期レベルの大小が景気の上昇下降と関係することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地域景気指標を示す月次時系列データの中周波数ダイナミクスに秩序構造を見出すことに成功し,経済時系列機械学習の実現可能性が示唆された.
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Strategy for Future Research Activity |
各種マクロ経済時系列の中周波数ダイナミクスから秩序構造を見出す研究を継続的に実施する.また,時系列の機械学習に着手する.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症が世界的に収まらなかったため、研究打合せや情報収集のための国内、国外出張を実施することが出来なかった。2022年度以降に出張を模索するとともに、代替の方法で研究課題の推進に努める。
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