2023 Fiscal Year Research-status Report
Expediting and Elaborating Business Forecast Using Machine Learning
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21K18584
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
齊木 吉隆 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20433740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野崎 保 立正大学, 経済学部, 教授 (10233595)
武藤 誠 日本大学, 経済学部, 助教 (50898351)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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Keywords | 景気変動 / 機械学習 / 時系列解析 / データ駆動モデリング / 為替変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
一国の経済変動は多くの経済主体(政府、企業、家計、諸外国等)による集団現象である上に、決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それが定量的な決定論的モデリングを困難にさせてきた。高周波の振る舞いは主に確率的なものであり、低周波の振る舞いは主に構造変化等によるものである。中周波の振る舞いはマクロ的な振る舞いを示す決定論的なものが主であり、再帰性の高いダイナミクスを示していると期待できる。本研究では、中周波の振る舞いに着目した機械学習をおこない、これまで存在しなかった定量的な決定論的経済変動モデルの構築を目指している。一国の経済変動に含まれる決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それらの分離が鍵となる。2023年度は、数週間から数か月のタイムスケールをもつ為替のボラティリティ時系列に決定論的構造が存するかどうかを調べた。フィルターを用いて下処理した為替のボラティリティ時系列データを訓練データとしてリザーバーコンピューティングとよばれる時系列の機械学習をおこなって予測モデルを構築した。そのモデルが多くの初期値で予測力があることを確認して決定論的構造が背後に存することを確認し、論文執筆を進めた。また、為替時系列をヒルベルト変換することで複素化し、時々刻々の位相を定義することによって同期レベルの推移を明らかにして、その結果をまとめた論文を査読付き国際誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
為替のボラティリティ時系列の予測モデルを機械学習によって構築して予測力を確認し、論文執筆をおこなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
数週間から数か月のタイムスケールをもつ経済、金融の指標に関して、リザーバーコンピューティングを適用した機械学習モデリングを推し進め、イタリアで開催される非線形経済動学の国際会議で発表して研究をブラッシュアップして論文を執筆する。モデリングにおいては,時々刻々入手可能な時系列データがある場合とない場合の二通りを考える。
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Causes of Carryover |
当初出席を予定していた国際会議が日程の都合で参加できなかったため、次年度イタリアで開催される国際会議に出席を予定している。
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