2023 Fiscal Year Annual Research Report
Direct observation of mantle-water reaction in subduction zone using neutron imaging
Project/Area Number |
21K18641
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂巻 竜也 東北大学, 理学研究科, 助教 (30630769)
|
Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
Keywords | 中性子イメージング / マントル / 水 / 高圧 / 高温 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射光X線と高温高圧実験との相性は良く、相互的な技術革新によって地球深部の条件まで実験的に測定することが可能となり、多くの研究成果を挙げている。しかしながら、X線では高圧セルに封入されている試料中の軽い元素を見ることがほぼ不可能であり、それらの軽元素を対象とした測定も困難である。地球科学いう観点に立つと、軽い元素を対象にした研究を避けることはできない。特に地球という惑星を考えた場合、「水」は極めて重要な物質である。そこで、水を研究する上で有効な中性子ビームを活用することに目を付けた。本研究では茨城県の東海村にあるJ-PARCのBL11(PLANET)ビームラインにおいて、中性子回折実験と中性子イメージングの2つの手法に焦点を当てて研究を進めた。 中性子回折実験を利用することで、X線回折では不可能であった含水のナトリウムケイ酸塩メルトの構造(水素位置も含む)の直接的な決定に成功した。5GPaまでの圧力条件下におけるマグマの構造データを取得し、各結合の圧力依存性を解明することができた。ケイ素-酸素間距離、ナトリウム-酸素間距離、酸素-酸素間距離は圧力が増加しても大きく変化しないが、水素-酸素間の距離は圧力に対して敏感であり、圧力起因の重合化が起きていることを突き止めた。 中性子イメージングでは長時間の撮影時間が必要となるため、ビームラインに設置されている6軸プレス圧姫を用いた高温高圧実験テストを行い、長時間安定に高温高圧条件を保持できる実験セルを構築することができた。加えて、ビームライン担当者と研究打ち合わせも進め、中性子イメージングを高温高圧条件下で取得することに成功した。水素量とイメージングにおける濃淡(吸収度合い)に相関があることを確認し、試料中における水素の分布を直接的に観察することが可能となった。
|
Research Products
(14 results)