2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of New Eco-Cement and Simple Recycling Technology for Municipal Solid Waste Incinerator Ash Recycling Technology for Municipal Solid Waste Incinerator Ash
Project/Area Number |
21K18769
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
李 柱国 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (50432737)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | ジオポリマーセメント / 都市ごみ焼却灰 / リサイクル / 重金属固定 / 飛灰 / 主灰 / 強度 / 発泡体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジオポリマー(GP)は、非晶質のアルミナシリケート(又はカルシウム(Ca)も含有)原料(活性フィラー, AF)がアルカリ金属のケイ酸塩、水酸化物の水溶液の少なくとも1種類(アルカリ溶液, AS)を用いて硬化させるものである。廃棄物の利用を拡大するために、高炉スラグ微粉(BFS)、フライアッシュ(FA)またはそれらの混合物がAFとして多用さている。本研究は、GP技術を活用して都市ごみ焼却灰の簡便・安全な資源化技術として、新型エコセメントの開発を目的としている。この目的を達成するために、2021年度に、1)都市ごみ焼却飛灰、排出時期が異なった7種類の焼却主灰の化学組成、重金属の種類と含有量をXRFとICP分析で、結晶化合物をXRD分析で考察した。また、焼却主灰の密度と粒度を調べた。焼却主灰の排出時期がその成分と性状に及ぼす影響を明らかにした。2)焼却灰をAFとして、ケイ酸ナトリウム(WG)と苛性ソーダ(NH)の混合溶液を混ぜてGPを作製して強度等の性能を測定した。その結果、焼却灰だけをAFとしたGPの凝結が早すぎ、強度が低いことが分かった。3)飛灰と主灰の特性によって、前者をBFS,FSと併用して発泡GPを作製し、後者をBFSとFAをAFとしたGPに混合してGPモルタルを作製した。発泡GPの密度、熱伝導率および強度、GPモルタルの凝結時間、強度および中性化抵抗性に及ぼすASの配合、BFSとFAの混合率、養生方法などの影響を検討した。4)発泡GPとGPモルタルの化学組成、反応生成物および内部構造をXRDとSEM-EDS分析で明らかにした。5) 発泡GPとGPモルタルの8種類の重金属固定率と溶出量をICP分析で測定し、GPの調合、溶出水環境のアルカリ度(pH)および主灰の排出時期の影響を詳細に考察した上で、発泡GPとGPモルタルを建設材料として安全に利用できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画として交付申請書に記載した2021年度の研究内容をすべて実施したほか、2023年に行う予定のGP化学分析を行い、GPの反応機構と反応生成物を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度と2023年度に当初の研究計画通りに研究を行う。特に、1)焼却灰のヒ素、セレンおよび塩素のGPによる固定率を詳細に考察して、ケイ酸ソーダと苛性ソーダ以外の新型アルカリ刺激剤を用いて固定率を高める方法を検討する。2)焼却灰を用いたGPの中性化抵抗性を向上するための調合方法だけではなく、無機表面塗布材の方法を含めて検討する。3)焼却灰を用いたGP硬化体の体積変化および影響要因を考察する。収縮低減剤だけではなく、特殊な活性フィラーや非活性フィラーの使用による低減方法を開発することに力を入れる。
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Causes of Carryover |
2021年度に電磁スターラー(約20万円, 重金属溶出試験用)とカートリッジ純水器(約10万円, 促進中性化試験用)を購入する予定であった。しかし、電磁スターラーの使用効果と適切な型番がはっきりわからなかったため、その購入を控えてまず超音波振とう法で重金属検出液を作製した。2022年度に、電磁スターラーを購入して、電磁スターラーの攪拌法と超音波振とう法でそれぞれ作製した重金属検出液の測定結果を比較する。また、促進中性化試験装置内の湿度を調整するために、カートリッジ純水器が必要である。これまで使っていたカートリッジ純水器は、メーカの部品生産中止で樹脂再生ができなくなると聞いたため、2021年度にカートリッジ純水器の新品を購入する予定であったが、2022年の前半に樹脂再生ができないことが確定され、2022年度にカートリッジ純水器を購入する。
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