2022 Fiscal Year Annual Research Report
development of novel hydrometallurgical process with micro powder electrode system
Project/Area Number |
21K18923
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三木 一 九州大学, 工学研究院, 准教授 (10706386)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 超微量粉末電気化学 / 電位走査 / 硫化鉱物 / 湿式製錬 / 浸出挙動 / 浮遊選別 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、従来不可能であった超微量粉末電極について簡便な方法を考案し検討を行ってきた。本法は微量の粉末試料を懸濁し、導電性電極上に懸濁液微量を展開し乾燥させるものである。本研究では、特に浸出挙動が不明な点の多い硫化鉱物について検討を行ってきた。まずは、高純度硫化銅鉱を合成することを検討し、銅線と硫黄粉末を嫌気中で加熱することにより、純粋なCuS、Cu2S、Cu1.8S等を得ることが出来た。これらの合成した鉱物と天然鉱物について、粉末電極を用いて浸出挙動を検討した。粉末については、超微細粉末を得るため、#2000の研磨紙上でエタノールを用いた湿式研磨を行い、微細孔径の篩でふるい分けし、試料を凍結真空乾燥することで、安定した挙動が得られることが分かった。鉱物を付着させる電極はテフロン加工されたカーボン電極を用いた。これらの工夫により、再現性の良い結果が得られている。CuS(銅藍)、Cu2S(輝銅鉱)については、酸化の起こる電位が低く、酸化浸出されやすい性質が確認された。輝銅鉱は、2つのピークが得られ、二段階で酸化される説が確認された。浸出速度が遅く、またその原因が不明であった黄銅鉱、硫ヒ銅鉱、斑銅鉱、ヒ四面銅鉱について検討したところ、酸化の起こる電位が非常に高く、不働態化する現象が確認された。また、これらのピークの形は鉱物ごとに大きく異なり、ピーク形状からの同定も可能であった。複雑銅精鉱に適用し、ピーク分割することで、鉱物組成の同定も可能となった。黄銅鉱については、銅イオン存在下で酸化浸出されやすい輝銅鉱を生成するために浸出速度が高くなることが報告されているが、本法により輝銅鉱が生成していることが初めて確認された。浮遊選別における表面性状の確認にも使用できた。これらのように、本法を使用することにより、反応挙動を詳しく解析でき、湿式精錬、浮遊選別の研究に広く応用できた。
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Research Products
(13 results)