2021 Fiscal Year Research-status Report
異なるエッジ構造をあわせもつナノグラフェンのボトムアップ合成と機能開拓
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21K18959
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 清誠 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10302168)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | グラフェンナノリボン / アズレン / ボトムアップ合成 / ひずみ分子 / 刺激応答型分子 / クロミズム |
Outline of Annual Research Achievements |
アズレンなど非六員環芳香族(non-benzenoid)を含むグラフェンナノリボンなど新規多環芳香族炭化水素のボトムアップ精密合成とその機能開拓を検討した。2021年度は非ベンゼノイドグラフェンの基盤化学を構築するため、その基礎骨格となるフルオランテンの合成とその交差共役に関わる化学を明らかにする過程で、外部刺激に応答する特徴ある光学特性分子の開発を行った。フルオランテン合成については、シクロブタンのひずみ解消を駆動力とした申請者独自の反応を開拓し、特定の位置に電子求引性および供与性置換基を導入することに成功した。ここで得られた化合物は、pH、溶媒、熱などの外部環境の違いにより色調や蛍光が変化するクロミック分子であることを見出し、その特徴についての詳細を計算化学、分光学などを用いて理解した。また、固体蛍光も示し、特に力学的刺激に応答して発光職の異なるメカのクロミズムを示すことも見出すことに成功した。また、エノラートーオレフィンメタセシスによる新規多環芳香族炭化水素の合成法も確立するとともに、硫黄原子を介する新反応も見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りにおおむね進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を柔軟に見直し、より特徴ある成果を見出せるようにマイナーチェンジを行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍などが原因となる半導体および資源の輸入遅延により、必要な一部の試薬・装置の購入が期間内に間に合わなかった。R4年度内に納入のめどがなっており、遅れはあるものの計画通りに購入予定である。
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Research Products
(6 results)