2022 Fiscal Year Annual Research Report
環状のみからなる平衡反応と超分子的相互作用を利用したポリカテナンの合成
Project/Area Number |
21K18996
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
青木 大輔 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80736950)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | カテナン / 動的共有結合 / ラジカル / 空間連結 / 超分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリカテナンは、環状のコンポーネントが鎖のようにつながった形の高分子であり、機械的結合によって生み出される分子運動と高いコンフォメーションの自由度から、古くからその特性に興味が持たれている。まさに機械的結合と高分子が融合することによって生まれる夢の分子であるが、その合成は未だ挑戦的な課題である。本研究では、申請者が確立した安定ラジカルを中間体として生成する動的共有結合を用いた環状のみからなる平衡反応と、超分子的相互作用を組み合わせることで、簡便にポリカテナンに代表される高分子と機械的結合が融合した超分子を合成する新しい手法の確立を目指す。2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)ジスルフィド(BiTEMPS)は、熱によってその動的特性のon-offを制御できる。BiTEMPSを用いて、構造再配列の条件を最適化し、再結晶化による精製手法を駆使することで単一の環状化合物(C1)を単離することができる。単離した環状化合物は末端を有さないため濃厚条件で加熱すると環状高分子となり、希釈条件下で加熱すると元の環状化合物へと戻る。すなわち、末端のない新しい平衡系(環状化合物-環状高分子の平衡)を生み出すことができる。本研究課題では、この環状化合物のみ与える選択的環化反応(環状高分子から環状化合物への反応)と超分子的な相互作用を組み合わせることで、簡便に機械的結合で高分子を連結する手法について検討した。具体的には、1)超分子的相互作用を有する環状化合物の戦略的合成法、2)[2]カテナンのone-pot合成法、3)ポリカテナンの合成についてその詳細を検討した。
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Research Products
(7 results)