2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K18999
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 大介 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (90547019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉羽 拓真 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60836039)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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Keywords | 高分子微粒子 / ゲル微粒子 / コアシェル微粒子 / 微粒子合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
球ではない異形形状を有したハイドロゲル微粒子の変形性を活用する事で、今までにない結晶構造を有するコロイド結晶の形成を目的に研究を行ってきた。従来の沈殿重合法で作製されるゲル微粒子は、重合過程において析出したポリマー同士が会合し、重合の進行と共に粒子径が成長することで単分散微粒子が形成される。その際、表面自由エネルギーが最小となる球が安定構造であるため、一般的に異形化は困難であった。 そこで、異形形状を有する硬質状のコア微粒子の存在下で行うシード沈殿重合法を活用する事で、異形コアシェル型ハイドロゲル微粒子の合成を試みた。異形化に挑戦するにあたって、同時並行として、球状のコアシェル型ゲル微粒子において、重合条件を詳細に制御する事で、ゲルから構成されるシェル層の柔らかさや厚さを制御する指針を見出す事に成功している(Nishizawa et al., Colloid Polym. Sci., p333)。得られたコア微粒子、および、コアシェル型ゲル微粒子ともに、各種顕微鏡観察結果より比較的サイズ分布が狭い事を確認しており、異形形状化の基盤技術を構築する事ができた。 その他、コアシェル型ゲル微粒子を水溶性フィルムに包埋し、そのフィルムをコア微粒子のガラス転移温度以上で延伸する事で、精度よく微粒子を異形化(楕円形状化)する事に成功した。更に、微粒子包埋フィルムの延伸率を変える事により、コアシェル型微粒子のアスペクト比を調節できる事を見出している。また、気水表面を利用したハイドロゲル微粒子の二次元コロイド結晶の作製にも着手しており、微粒子充填密度を変化させる事で、結晶構造を可逆的に変化できる事を見出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高分子ゲル微粒子の異形形状化の基盤である、コアシェル型微粒子の精密合成技術を構築することができたため、ゲル微粒子の精密異形形状化に挑戦する準備は整っている。また、精度よくアスペクト比の異なる異形コアの作製にも成功している。その上、気水表面上での微粒子充填密度を調節可能なコロイド結晶形成法も確立しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
異形化ゲル微粒子の合成検討を進めており、コアの異形構造が異なる種々の微粒子が精度良く得られるようになりつつある。今年度は、分担者と密に連携して、これら微粒子の構造評価を詳細に行っていくことで、微粒子合成技術を確立し、その上で気水表面上での自己組織化に挑戦する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた学会等のオンライン化に伴い、出張旅費が必要ではなくなったため。その利用額を本年度では、気水表面での精密構造解析に利用する物品や、学会旅費等に使い、研究がより加速するように活用する。
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Research Products
(1 results)