2023 Fiscal Year Annual Research Report
Generation of silkworm lacking silk gland suitable for insect factories
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21K19121
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日下部 宜宏 九州大学, 農学研究院, 教授 (30253595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門 宏明 九州大学, 農学研究院, 准教授 (30616412)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | カイコ昆虫工場 / 絹糸線 / バキュロウイルス / 組換えタンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は、絹糸腺マスター候補遺伝子のノックアウトを行い、胚性致死となった遺伝子を除く2遺伝子について解析を進めた。1つは、正常な吐糸が観察され、もう一つの遺伝子(既知のBmSage)については、顕著なタンパク質発現の向上は認められなかった。また、このノックアウトは、いくつかの系統と交配し、バックグラウンドを変えても脆弱で顕著な体重等の増加は認められなかった。また、タンパク質高生産性系統であるf38系統でも発現量の向上は認められなかった。そこで、組み換えタンパク質の高生産という目的に立ち帰り、絹糸腺を積極的に利用することとした。本構想の出発点は、バキュロウイルスが感染しにくい絹糸腺で大量の絹タンパク質が合成されることを回避すれば、そのリソースを脂肪体などのバキュロウイルスが感染しやすい組織に回せるのではないかという点にある。 そこで、バキュロウイルス発現系を絹糸腺でも利用するという方向性についても検討した。2つの方法で検討を行ったが、 1つ目は、絹糸腺におけるウイルス感染を抑制している可能性がある2つのLong non-coding RNAのゲノム編集に関する研究で、KWMTBOMO14361とKWMTBOMO06670の2つのRNA領域をノックアウトしたカイコを作出した。いずれのカイコにおいても絹糸腺は正常に形成されたが、組換えタンパク質の発現には大きな影響が認められなかった。そのため、現在、2つのノックアウトカイコの感染、非感染における絹糸腺各部位の遺伝子発現プロファイルをRNA-seqにて解析いている。 2つ目は、絹糸腺に効率よく感染するバキュロウイルスの作出で、変異導入と選抜を繰り返すことにより、絹糸腺に感染し安くなるウイルスの作製を目指した。6回の絹糸腺での選抜により感染効率が向上したウイルス集団を得た。その集団からウイルスクローンの単離を行い、詳細な解析を進めている。
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